■毎年恒例となっています、総まとめ記事。今年も『完結作編』と『継続作編』の二つに分けてお届け致します。こちらは昨年完結した作品及び、短編集等の単巻に絞ったセレクション。完結作編は、もうレビューすることはありませんので、ここで是非ともチェックしていただきたいところです。例年通り10作品を順位付け。リンク先はレビュー記事になります。ではでは、スタート…
1.小玉ユキ「坂道のアポロン」(全9巻)

…『このマンガがすごい! 2009』オンナ編で1位を獲得した本作が、今年、アニメ化を経てついに完結を迎えました。高校卒業後、千太郎、律子、そして薫がそれぞれに自分の道を歩み始めてからが描かれた最終巻は、悲しみややるせなさを経てやがて感動へと至るその過程がとにかく素晴らしかった。出来過ぎと言っても良いくらいの最高のラストでした。当時の時代感を、ジャズの名曲と共に味わうことの出来る後々も大切にしたい物語です。
2.南波あつこ「隣のあたし」(全10巻)

…ラストは良い意味で予想を完全に裏切られました。してやられたと言うべきか。かませ犬ファンからしたら、意外すぎて読み進めるのをやめかねないレベル。「かませ犬の大逆転劇」という、人気の少女漫画作品のセオリーの逆を行く展開を堂々と描き切った南波あつこ先生には惜しみない拍手を贈りたいところです。
3.小畑友紀「僕等がいた」(全16巻)

※リンク先は15巻レビュー
…映画化したタイミングで本編も完結。よくぞ完結してくれました。絶対終わらないと思ってましたもん。読みはじめた時に主人公達と同い年だったのですが、読み終わってもなお同い年くらいで、結果的に主人公達と同じ時間を過ごしていたということも、個人的な思い入れを強くしている要因でしょうか。正直これに関しては思い入れが強すぎて客観的な面白さとか良くわかっていないです。
4.紅玉いづき/HERO「青春離婚」(全1巻)

…人気ライトノベル作家である紅玉いづき先生と、人気Web漫画家であるHERO先生という黄金タッグが描いたのは、とある地味なクラスメイトの小さな恋物語。はじめて男の子を名前で呼んだり、はじめて男の子と一緒に帰ったり、はじめて男の子とメールをしたり…そんな青春ならではのイベントを、静かに、丁寧に描き出していきます。紅玉いづき先生由来の印象的な言葉遣いと、HERO先生由来の味わい深い“間”と“表情”が絶妙に合わさり、何とも言えない作品に仕上りました。
5.穂積「式の前日」(全1巻)

…既に各所で話題になっている、穂積先生のデビュー短編集。一時期は品薄で手に入れられないという状態にまでなっていたようです。各話必ずどこかでミスリードをひと捻り入れて、読者はそれに引っ掛かる。デビュー単行本ということを差し引いてもなお完成度が高く、これだけ注目を集めるのも納得。本作自体ももちろんオススメですが、作者さんの名前はまず覚えておいて損はないと思います。
6.河内遙「夏雪ランデブー」(全4巻)

…本作もアニメ化を経て完結しました。最後まで幽霊の元旦那は気持ち悪いままでしたが、この執念深さが、この物語を盛り上げた最大の要因に他なりませんでした。大切な人の死を乗り越えて進むには、必ず痛みが伴うもの。店長と元旦那の最後のやりとりは、何度読み返しても切なくて痛い。三者三様、どの視点で読むかによって、大きくその感想が変わってきそうな本作。あなたは誰の視点で読みますか?
7.山川あいじ「やじろべえ」(全2巻)

…これも完結していました。まだ続刊あるかと思っていたので、慌ててこちらにランクイン。少女と義理の父との2人暮らしを描く本作は、うさぎドロップのように恋愛に発展する結末は描かれることはなく、あくまで親子の絆やその年齢なりの少女の悩みや直面する問題に留まります。恋愛色極端に薄い本作は、通常の少女マンガとは少し異なる印象を与えるものの、その分確実に“何か温かいもの”を心に届けてくれる内容になっていると思います。
8.奈々巻かなこ「港町猫町」(全3巻)

…寂しい女性である“魔女”と、そんな彼女達によりそう“猫”の優しい関係を描いた作品。どこかファンタジックでありながら、落とし込まれる感情は一人身の女性が抱えるリアルなもの。どことなく「おとなの女性のためのおとぎ話」という感覚を受けます。刊行ペースもゆっくりでなかなか話題にならない作品ですが、非常に良いお話ですので、ご興味のある方は是非ともチェックを。
9.御手洗直子「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」(全1巻)

…9位は毛色を替えてこんな作品を。pixivで話題となったエッセイ作品なのですが、これが面白かった。BLマンガ家というよりは、引きこもりがちなオタク・同人女子が婚活してみるとこんな感じになります、というお話。作者さんのツッコミが上手で、自分に向けても他人に向けても面白い。肩肘張らずに気楽に読める作品になっています。それと、これきっかけで婚活に少し興味が出たのもまた事実。
10.瀬川藤子「VIVO!」(全3巻)

…生徒に全く興味なし、教師としての志はゼロ、邪魔されれば途端に不機嫌…そんな型破りで無気力な教師・ナカムラが最後までナカムラ節を突き通したのにはあっぱれ。そうしてブレないからこそ、生徒達も無意識で慕ってしまう。型破りな教師ものは数あれど、ここまで生徒のことを考えていない先生はなかなかいないのではなかろうか。
以上10作品です。「360°マテリアル」とか「僕達は知ってしまった」とかあったんですが、どちらも個人的にはちょっとパンチ力が弱かったかな、という感が。あと短編集をあまり読めていないので、その辺の抜けは結構あるかと思います。ムック本で話題になった所では渡辺カナ先生の「星屑クライベイビー」とか。この辺はゆくゆくレビューできればと思います。こちらに引き続いて、継続作編を近々お届け致しますので、ゆるりとお待ち頂ければ…。
→アップしました
この女性向けマンガがすごい!2012〜2013(継続作編)
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…『このマンガがすごい! 2009』オンナ編で1位を獲得した本作が、今年、アニメ化を経てついに完結を迎えました。高校卒業後、千太郎、律子、そして薫がそれぞれに自分の道を歩み始めてからが描かれた最終巻は、悲しみややるせなさを経てやがて感動へと至るその過程がとにかく素晴らしかった。出来過ぎと言っても良いくらいの最高のラストでした。当時の時代感を、ジャズの名曲と共に味わうことの出来る後々も大切にしたい物語です。
2.南波あつこ「隣のあたし」(全10巻)
…ラストは良い意味で予想を完全に裏切られました。してやられたと言うべきか。かませ犬ファンからしたら、意外すぎて読み進めるのをやめかねないレベル。「かませ犬の大逆転劇」という、人気の少女漫画作品のセオリーの逆を行く展開を堂々と描き切った南波あつこ先生には惜しみない拍手を贈りたいところです。
3.小畑友紀「僕等がいた」(全16巻)
※リンク先は15巻レビュー
…映画化したタイミングで本編も完結。よくぞ完結してくれました。絶対終わらないと思ってましたもん。読みはじめた時に主人公達と同い年だったのですが、読み終わってもなお同い年くらいで、結果的に主人公達と同じ時間を過ごしていたということも、個人的な思い入れを強くしている要因でしょうか。正直これに関しては思い入れが強すぎて客観的な面白さとか良くわかっていないです。
4.紅玉いづき/HERO「青春離婚」(全1巻)
…人気ライトノベル作家である紅玉いづき先生と、人気Web漫画家であるHERO先生という黄金タッグが描いたのは、とある地味なクラスメイトの小さな恋物語。はじめて男の子を名前で呼んだり、はじめて男の子と一緒に帰ったり、はじめて男の子とメールをしたり…そんな青春ならではのイベントを、静かに、丁寧に描き出していきます。紅玉いづき先生由来の印象的な言葉遣いと、HERO先生由来の味わい深い“間”と“表情”が絶妙に合わさり、何とも言えない作品に仕上りました。
5.穂積「式の前日」(全1巻)
…既に各所で話題になっている、穂積先生のデビュー短編集。一時期は品薄で手に入れられないという状態にまでなっていたようです。各話必ずどこかでミスリードをひと捻り入れて、読者はそれに引っ掛かる。デビュー単行本ということを差し引いてもなお完成度が高く、これだけ注目を集めるのも納得。本作自体ももちろんオススメですが、作者さんの名前はまず覚えておいて損はないと思います。
6.河内遙「夏雪ランデブー」(全4巻)
…本作もアニメ化を経て完結しました。最後まで幽霊の元旦那は気持ち悪いままでしたが、この執念深さが、この物語を盛り上げた最大の要因に他なりませんでした。大切な人の死を乗り越えて進むには、必ず痛みが伴うもの。店長と元旦那の最後のやりとりは、何度読み返しても切なくて痛い。三者三様、どの視点で読むかによって、大きくその感想が変わってきそうな本作。あなたは誰の視点で読みますか?
7.山川あいじ「やじろべえ」(全2巻)
…これも完結していました。まだ続刊あるかと思っていたので、慌ててこちらにランクイン。少女と義理の父との2人暮らしを描く本作は、うさぎドロップのように恋愛に発展する結末は描かれることはなく、あくまで親子の絆やその年齢なりの少女の悩みや直面する問題に留まります。恋愛色極端に薄い本作は、通常の少女マンガとは少し異なる印象を与えるものの、その分確実に“何か温かいもの”を心に届けてくれる内容になっていると思います。
8.奈々巻かなこ「港町猫町」(全3巻)
…寂しい女性である“魔女”と、そんな彼女達によりそう“猫”の優しい関係を描いた作品。どこかファンタジックでありながら、落とし込まれる感情は一人身の女性が抱えるリアルなもの。どことなく「おとなの女性のためのおとぎ話」という感覚を受けます。刊行ペースもゆっくりでなかなか話題にならない作品ですが、非常に良いお話ですので、ご興味のある方は是非ともチェックを。
9.御手洗直子「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」(全1巻)
…9位は毛色を替えてこんな作品を。pixivで話題となったエッセイ作品なのですが、これが面白かった。BLマンガ家というよりは、引きこもりがちなオタク・同人女子が婚活してみるとこんな感じになります、というお話。作者さんのツッコミが上手で、自分に向けても他人に向けても面白い。肩肘張らずに気楽に読める作品になっています。それと、これきっかけで婚活に少し興味が出たのもまた事実。
10.瀬川藤子「VIVO!」(全3巻)
…生徒に全く興味なし、教師としての志はゼロ、邪魔されれば途端に不機嫌…そんな型破りで無気力な教師・ナカムラが最後までナカムラ節を突き通したのにはあっぱれ。そうしてブレないからこそ、生徒達も無意識で慕ってしまう。型破りな教師ものは数あれど、ここまで生徒のことを考えていない先生はなかなかいないのではなかろうか。
以上10作品です。「360°マテリアル」とか「僕達は知ってしまった」とかあったんですが、どちらも個人的にはちょっとパンチ力が弱かったかな、という感が。あと短編集をあまり読めていないので、その辺の抜けは結構あるかと思います。ムック本で話題になった所では渡辺カナ先生の「星屑クライベイビー」とか。この辺はゆくゆくレビューできればと思います。こちらに引き続いて、継続作編を近々お届け致しますので、ゆるりとお待ち頂ければ…。
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