世界経済の減速の中でタカ派登場のこれからを予想
【政治・経済】
中国国内では「次期総選挙で自民党が政権復帰し、安倍政権となれば緊張激化必至」と受け止められているし、韓国の聯合ニュースは、「安倍氏は軍国主義日本の復活を夢見ているように見える。安倍氏が最大野党の総裁になったことにより、日本政治の右傾化の流れは加速する」と言い切った。
日中、日韓の関係がさらに悪化、緊迫するのは間違いない。
すでに日中ビジネスは、野田が尖閣を国有化したことで最悪状態だが、これに拍車がかかるのである。訪日観光客はキャンセルの続出だ。中国では日本製品の不買運動が起こっている。工場では中国人労働者がストライキという“抵抗”に出ている。揚げ句は、成都で開かれている国際見本市から日系企業は締め出しを食らってしまった。シタタカな中国政府のことだ。こうした経済的嫌がらせは今後も続く。安倍首相になればなおさらで、日本企業は死活問題になる。
そこへ世界経済の予想を超える減速が追い打ちをかけるのだ。欧州の経済不安に加え、新興国の景気も鈍化。IMFのラガルド専務理事は24日、「世界の成長率予想を下方修正する」との見通しを明らかにした。日本の輸出産業は総崩れだ。
そんなタイミングで安倍が出てくるのだから絶望的な気分になってくる。筑波大名誉教授の小林弥六氏がこう言う。
「中国は資源があるし、欧州とのつながりもある。日本を相手にしなくても困りません。安倍さんのやりたいことは『戦後レジームの脱却』や『憲法改正』。自民党が政権に戻り、橋下・維新の会と連携でもしたら、この国は独裁的な戦時中の国家に逆戻りしてしまう恐れがある。米国でさえ中国とうまく手を組んでやっている。世界は、平和的に外交の道を探っているのに、日本だけが例外の要注意国家になってしまいます」
戦前の歴史が教えるように、世界が不況に陥ると、自分たちだけが生き残ろうとして、ナショナリズムが高まる。ますますもってイヤな感じだ。