ついに発表されましたね、2012年のノーベル賞。今年は「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」えーと、何にでもなれちゃう細胞について研究する京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞! これで日本人のノーベル賞受賞者は19人になりました。ちなみに、この19人のうち、平和賞1人と文学賞2人をのぞく16人が「物理・化学・生理学・医学」など自然科学分野での受賞です。そのウラには、日本は経済的に苦しいときも結構頑張って研究費を出してきた、という背景があるよう。それでもまだまだ足りていないようですが…。
そして、毎年文学賞の候補に上がっていた村上春樹氏ですが、今年も受賞を逃してしまいました。受賞したのはライバルの中国作家・莫言氏(57)。「今年こそは…!」と期待していたハルキスト(村上春樹氏のファンの通称)たちは気勢を削がれてしまったようです。
…と、いうことでノーベル賞の豆知識でも、と思ったのですが、意外に知られていないのが「イグノーベル賞」。みなさん、ご存知でしょうか? 知らなかった方はぜひ来年からチェックしてみてね☆ 世界にはいろんな人がいるんだゾ☆
イグノーベル賞は、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞。もちろん、ノーベル賞をもじったもので、1991年からサイエンス・ユーモア雑誌『風変わりな研究の年報』 (Annals of Improbable Research) と、ハーバード大学の学生グループによって主催されています。
さてさて、気になる2012年の受賞者は!? なんと、日本人もいます! 日本人の受賞は、今年で6回連続だとか。名誉ですね〜。
■音響学賞
「SpeechJammer(スピーチ・ジャマー)」栗原一貴氏(産業技術総合研究所)、塚田浩二氏(科学技術振興機構)
8ミリカメラみたいな黒い箱を話している人に向けます。すると、相手がしゃべった声をマイクで収集して、0.2秒後に相手に送り返します。微妙に遅れてくる自分の声に脳が混乱して、正常な発話が続けられなくなる仕組み。会議で延々としゃべり続ける人や、映画館で私語をやめない人などに向けて使うことを想定。想定がシュール。
■解剖学賞
「チンパンジーは、ほかのチンパンジーの尻の写真で個体を識別できる」フランス・ドゥ・ヴァール氏らの研究チーム(オランダ)
各チンパンジーに、別のチンパンジーの性器の見えたお尻の写真を一瞬見せます。そして、そのお尻の持ち主の顔写真と、その持ち主と同じ性別の別のチンパンジーの顔写真を見せたところ、仲間のお尻と正面の顔の写真を識別することができたそう。オスとメス、どちらでも成功。ただし、これは既に知っているチンパンジーの写真を見せられた場合だけ。
■平和賞
「古い爆薬を新しいダイヤモンドに変える」イーゴリ・ペトロフ氏(ロシア)
ペトロフ氏の勤務するSKNカンパニー(SKN Company)では、特殊な条件下で爆薬を爆発させることでナノダイヤモンドを生成しているそう。ナノダイヤモンドは合成の粉状で、さまざまなテクノロジーの中で利用可能な物質です。ダイヤというと宝石をイメージしてしまいますが、工業用に使われるのはミクロの粉。ミクロの粉は1,000分の1ミリ、そしてそのさらに1,000分の1ミリがナノです。
このほかに7賞、優秀な研究が2012年度のイグ・ノーベル賞を受賞しています。ちなみに、一番面白いのは授賞式。開催者も受賞者もここぞとばかりに本気でふざけています。
▼「今年も発表、イグ・ノーベル賞」ナショナルジオグラフィック ニュース
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/
▼イグノーベル賞公式サイト
http://www.improbable.com/
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