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相模原・中学生いじめ、学校は現実直視せず/神奈川

2012年12月29日

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いじめの事実が発覚した中学校。緊急の保護者会には自転車や徒歩で多くの保護者が駆けつけた=11日、相模原市中央区

いじめの事実が発覚した中学校。緊急の保護者会には自転車や徒歩で多くの保護者が駆けつけた=11日、相模原市中央区

 3年生の男子生徒(15)が被害に遭った相模原市立中学校のいじめ・暴行事件。鼻骨を折られる10月の事件で加害生徒が逮捕されてようやく、入学直後から複数生徒に標的にされていた事実が明らかになった。教師側がいじめを認識する機会は多くあったが、学校内で情報共有されず、市教育委員会にももたらされなかった。2年余りにもわたる“不作為”は、なぜ起きたのか。

     ◆

 相模原市教委は19日、被害生徒が1年1学期からいじめに遭っていたことを認め、対応が不十分だったと謝罪した。

 学校は暴行など数々の触法行為を「トラブル」「ちょっかい」と矮小化。校内事故が起こった際、市教委に提出すべき報告書を出していなかった事実も分かった。校長は「(鼻骨を折る)事件が起こるまで、いじめの認識がなかった。判断が甘かった」と釈明している。

 市教委の調査によると、生徒が2年生の時に集団暴行を受けた際、担任の女性教諭はいじめを疑い、学年会議にかけた。しかし、校長や教諭全員が出席する職員会議に報告されなかった。

 「学校全体で解決が図られるべきだった」と市教委。隠蔽の可能性を排除せず、担任や学年で情報がとどまった原因について調査している。

     ◆

 12月11日夜、学校で緊急保護者会が開かれた。しかし、2時間に及んだ会の途中で会場を後にする保護者が散見された。説明に立った校長が、事件の詳細にはまったく触れる気配がなかったためだ。

 校長は「校内事情を説明するための会だった」とする。窓ガラスが割られ、窓から外へ消火器が投げられる。そこで、教師が校門に立ってあいさつし、休み時間には教室を見回っている…。

 1年生の長女を通わせる母親は疲れた表情だった。「学校はこんなに対応しているという言い訳ばかり。このままではまたきっと別の生徒で(いじめが)繰り返される。現実を直視し変わってほしいのに…」

 現在は、県警OBが巡回する事態になっている。学校再生への道は遠い。

     ◆

 被害生徒や家族の苦しみは深い。

 生徒が2年生の時に同級生に暴行を受けた際、一度反撃したことから担任に「けんか扱い」とされた。

 だから、母親はわが子に言い含めた。「やり返したら『けんか』になる。(一方的に)やられなさい」。そうすることで学校側にいじめと認識させる意図だった。しかし、その思いは通じなかった。

 生徒は今年10月19日に同級生に鼻骨を折られて以降、登校できない状態になっている。生徒は暴行当時を思い出し、不眠に悩み続けているという。

 「わたしの言葉が暴力を助長することになってしまった」

 母親は「忠告」した自らを今も責め続けている。


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