原爆の大きな被害に遭ったことやマイカー時代の到来による利用者の激減など、さまざまな経験を積み重ねてきた中で、100周年は大きな節目でした。また同時に、通過点に過ぎないとも考えています。サービス向上を図るという意味では「次の100年」に向けた布石を打った1年だったとも言えます。
ことし2月に3両編成(約18メートル)の超低床車両を白島線、横川線、江波線に導入し、白島線の路面電車を本線に乗り入れる予定です。現在、所有する124編成のうち、約4割に当たる48編成が、製造から47年以上経過しています。順次、新しい車両にしながら、15年後までに超低床車両を40編成に増やしたいと考えています。
顧客ニーズを高めるためにも、速度アップは欠かせません。駅前大橋線が完成すれば、現在15分から25分かかる広島駅から紙屋町(中区)までが約9分で行き来できます。
広島駅南口の再開発が進めば、交通量は大幅に増えます。電車は路上を通しても、高架にしても車線に影響するので、地下を通すことが最善策です。地下ルートは、経費がかさむと言われていますが、当社の計算では、高架とほぼ変わりません。
老朽化した施設の修繕費や新車両の購入など、設備投資の費用はかさみます。超低床車両は一編成当たり3億円近くかかるため、現在の収入だけでは、導入資金は全く足りません。
春にも現在の150円から値上げすると同時に、広島駅から宮島口まで分かりやすい均一運賃にし、利便性を高めます。宮島線から市内線を利用する場合、実質的には値下げになります。
芸陽バスを子会社化したのに続き、呉市交通局からバス路線を引き継ぎました。グループが経営するバス会社は合わせて4社。人口減少社会に向けて、無駄な部分を省きながら選択と集中を心掛け、利便性向上に努めてまいります。
社名 | 広島電鉄株式会社 |
---|---|
所在地 | 〒730-8610 広島市中区東千田町2丁目9-29 TEL 082(242)3521 |
設立 | 1942年4月 |
事業内容 | 鉄・軌道事業、自動車事業、不動産事業 |
資本金 | 23億3562万円 |
売上高 | 170億1200万円(2012年3月期) |
従業員数 | 1351人(2012年3月現在) |
関連会社 | 広電不動産、広電ストア、広電建設、広電観光、広電宮島ガーデン、宮島松大汽船、ヒロデンプラザ、グリーンバーズ・ヒロデン、ホテルニューヒロデンなど計20社 |
ホームページ | http://www.hiroden.co.jp/ |