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【サッカー】

柏37年ぶり美酒 渡部 決勝ヘッド

2013年1月3日 紙面から

◇天皇杯<決勝戦>

 サッカー日本一を決める第92回天皇杯全日本選手権は1日、東京・国立競技場で決勝を行い、柏が1−0でG大阪を下し、前身の日立製作所時代以来、37大会ぶり3度目の優勝を決めた。柏は賞金1億円を獲得し、2シーズン連続でアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を手にした。柏は前半35分に左CKをDF渡部博文(24)が頭でたたき込み、これが決勝点となった。3大会ぶりの制覇を狙ったG大阪だが、後半の反撃も及ばなかった。

 試合終了の笛が鳴ると、1点を守り抜いた柏の選手はバタバタとピッチに倒れ込んだ。前身の日立製作所以来の37大会ぶり3度目の天皇杯制覇。そして、2年連続のACL出場権獲得に、ベンチ前では歓喜の声が上がった。「4年前は勝つことしか考えてなくて、ACLが見えてなかった。これでチームを離れる選手、スタッフのためにも勝ちたかったし、狙って勝てたのは今後につながる」。大谷主将が言う通り、全員の思いがこもった栄冠だった。

 4年前の元日決戦でG大阪に敗れ、柏はその年にJ1で16位に沈み、J2へ降格した。そこから、ネルシーニョ監督は「ヴィトーリア(ポルトガル語で勝利)」を合言葉に、常勝チームへの改革に着手。2010年にJ2優勝、一昨年にJ1制覇と着実に階段を上ってきた。昨年は6位で連覇はならなかったが、勝者のメンタリティーがチームに根付いてきた。

 この決勝戦はFW工藤が出場停止、DF近藤が故障で攻守の軸を欠き、相手にボールを支配され続けた。しかし、前半35分にMFジョルジワグネルの左CKを、近藤に代わって先発したDF渡部が頭で押し込み、これが決勝点となった。「素直にうれしい。今までつらい時期を頑張ってきて良かった」。代役の一撃を、最後は全員が必死に守り、4年前の雪辱を見事に果たした。

 表彰式では、戦力外通告を受けて退団するMF水野、MF安英学に天皇杯を掲げさせる粋な演出も。「柏にかかわるすべての人の勝利。勝つことを信じ、自分の役割を全うすることが根付いてきた」。チームの成長を証明する勝利後、指揮官は自然と笑みをこぼしていた。 (相原俊之)

 

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