稲恭宏(自称)博士のトンデモ論に真っ向から喧嘩を挑む!
人工放射性核種は原発など、人の手が加わって作られた放射性物質で、自然放射性核種はその逆です。 放射線を放出する点ではどちらも本質的に変わりません。 しかし、自然に存在するそのような物質は種類も量も少ないし、生物が適応できているケースが殆どです。 例えば体に入り込んでもすぐに排泄するというような形です。 人工放射性核種の中には生物が必要とする物質の同位体が含まれています。 ヨウ素、カリウムなどが有名です。つまり、排出どころか一生懸命取り込もうとしてしまう訳です。 こうしたものは体の特定のところに集まり、至近距離からずっと放射線を与え続けます。 急性被曝については割愛しますが、 その後最も早く現れる癌である白血病でも顕著に統計上の変化が現れるのは3・4年先で、 それ以外に至っては20〜30年後です。 線量がわずかであっても放射性物質が存在している地域では、少しずつ体の中に蓄積され、 着実にDNAを破壊していき、その異常はずっと子孫に受け継がれてしまう傾向にあります。 従って、温泉やCTスキャンなど、自らの意思で、かつ管理された状態で受けるような、 体に取り込まない被曝というのはそれほど問題にはなりません。 しかし、DNAは体の設計図であり、生物として必要な体の内外の特性を司りますから、 例えば妊婦の受精卵のDNAを傷つければ、奇形児が生まれる確率が高くなりますし、 見かけ上そうでなくても、免疫に異常をきたして普通なら何でも無い病気に弱かったり、 逆に余計な物質を作りすぎてアレルギーやその他の不都合を起こす訳です。 だから○○Km圏内は立ち入り禁止、などとしなければならなくなるわけです。 こうした生物への影響は、 統計的・客観的に明らかであっても法律的には被曝との因果関係を認められることはまずありません。 少なくとも過去においては・・・ つまり、誰も責任を負わないのです。 私たちの世代において見かけ上、わずかな影響や症状であっても、 種が存続される限りその悪影響は少しずつ積み上がっていきます。 原子力による発電はウラン採掘から廃棄まで、全ての工程で、 このような放射性物質を常に吐き続けています。 今現在は大したこと無い様でも、原発を運転する限り確実に絶対量を増やしていくわけです。 私たちの世代が1人も残っていないような時代が訪れた時、 この蓄積した被害を被る子孫にどのような言い訳ができるでしょうか。 従って、 「福島原発の放射線は、悪い影響は全くありません!」 「野菜も魚も水道水も全く問題ありません!」 「乳幼児でも問題ありません!」 「どんどん吸い込んでください!」 というような言い方に甚だ疑問を感じます。 稲氏のプロフィールを読むと、 「IAEAが稲氏の研究成果を政策の礎にしている」とのことですが、 IAEAが避難範囲を拡大するように指示していることも、知っておいてください。 |