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・ 【96年8月9日】大竹まこと、ぼう然...交通事故相手が死亡

タレントの大竹まこと(47)のもとに悲報がもたらされたのは交通事故から半日後のことだった。関係者から事故相手の男性が亡くなったことを伝えられると、大竹は顔を青ざめ、言葉を失った。

 事故が起きたのは8日午前2時20分ごろ。現場は東京都杉並区高井戸にある環状8号と五日市街道の交差点だった。テレビ番組の収録を終え、帰宅途中の大竹が運転する乗用車と、中型オートバイが出会い頭に激しく衝突。大竹にケガはなかったが、車はフロント部分を損傷。オートバイに乗っていた男女は衝突の衝撃で路面に投げ出された。運転していた男性は頭を強く打つなどして、意識不明の重体。後部座席の女性も全身を強く打ち、足を骨折するなどして入院していた。大竹本人が119番通報し、所轄の高井戸署にも連絡が入った。救急車の中で大竹は男性に向かって「頑張れ!頑張れ!」と励まし続けたという。

 付近の住人が「あの交差点で事故が起きることはほとんどない。どちらかの信号無視では」と口をそろえる見通しのよい交差点。現場検証を行った高井戸署によると「(大竹は)酒気帯びや居眠り運転ではない。信号も守っていた」という。だが、レギュラー番組を週7本持つ売れっ子だった大竹の精神的ショックは大きく、しばらくの間、芸能活動を自粛することになった。

 「2日間は全く飲まず食わずでした」と明かしたのは2週間後のこと。久々の番組収録現場では「こいつ」「バカ野郎」など大竹らしい毒舌を吐いたが、報道陣の前に姿を現した際は一転して沈痛な面持ちを浮かべた。濃紺のスーツ姿で開口一番「このたびはご迷惑をおかけいたしました。亡くなったバイクに乗っていた青年には心からご冥福をお祈りいたします」と頭を下げた。

 復帰は亡くなった男性の両親の現場復帰を望む声を十分に配慮してのことだった。自宅での謹慎中、何度か仕事に戻ろうかと思った大竹だが、そのたびに男性に申し訳ない気持ちになった。そんな大竹のもとに男性の両親から「早く仕事に戻ってください」との連絡が入った。「(男女)どちらのご両親からも立派な言葉を掛けてもらいました」と大竹。その目は真っ赤に充血していた。

 事故の状況については「警察にお任せしている。私が何を言ってもパフォーマンスにしかならない」と多くを語らなかったが、多くの励ましのメッセージには「友達は少ないと思っていたのに、関係者やタレントさんからたくさん電話をもらった。みなさん温かく、ありがたかった」。中でも元気付けられたのは、そのまんま東の一言だったという。留守番電話に「核戦争反対!」とだけ録音されていた。東らしいわざと外した"ギャグ"に「腰から力が抜けました」と目をうるませた。

 「僕の仕事は横から出てきて、なぎ倒すのが仕事。事故を引きずるわけにはいかない。でも、どう頑張っていいのか分からないけど、とにかく頑張るしかない...」。強気なイメージとは打って変わって、弱気な一面をチラリ。それでも「タレントはつまらないと言われたらそれで終わりですから」と"業"を背負いながら、毒舌キャラを貫き通す決意をにじませた。

引用:スポニチ新聞
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/special/calender/calender_09august/KFullNormal20090809189.html


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