高岡基文『ラピエール』
『Angel Beats』も取りあえず見続けてみようと考えていますが、面白いからというよりは、この1話から果たして面白くなるのだろうか?という疑問で見る感じですかね。何と言うか、よく分からないアニメだなぁと。
さて本日は、高岡基文先生の『ラピエール』(ヒット出版社)のへたレビューです。先生の前単行本『は~れむ・ちゅーんcos』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
有名な『三銃士』(デュマ作)をエロ漫画作品に上手く仕立て上げた長編ストーリーが楽しめる1冊になっています。
フルカラー掌編である第0話(8P)を除き、1話当りのページ数は18~36P(平均27P強)となかなかのボリュームを有しています。ストーリー的にもしっかりとした読み応えがあり、またそこにエロシーンを十分量入れ込む構成力が安定しています。
【パロディ作品として完成度の高さが見事】
ダルタニアンと三銃士の友情活劇である元ネタ・『三銃士』をストーリーと基盤としており、本作のストーリー展開は原作をよく咀嚼した流れになっているため元ネタを知っているとより楽しめます。
原作の中でのエピソードを上手くアレンジしてエロ展開との結びつきを形成すると共に、主人公であるダルタニアンと三銃士との関係を大胆に変化させるなど、ネタ元をなぞっただけのシナリオになっていないのも非常に好印象。
単行本の表帯に“凌辱ドラマ”と表記される様に、美女の三銃士がバッキンガム公やハプスブルグ家の野郎連中に襲われてしまう場面は多くありますが、そういった騒動や困難を乗り越えて個々のキャラクター間の愛情や信頼関係が確かなものになってゆく展開も、友情物語である元ネタの趣旨を汲みとっている様に感じます。
とある邪な目的で三銃士に近づいたダルタニアンが事件を乗り越えてアトスとラブラブに結ばれてゆく流れをストーリーの縦糸としており、素敵にハッピーなお話の締め方も良好。
パロディ作品の肝である、元ネタの咀嚼とオリジナリティーの付与が的確に両立されているエロ漫画作品と評することができ、凌辱モノとして決して重過ぎず、またその要素が作中で浮つかないバランス感覚の良さは流石ベテランの商業作家さんですな。
【元キャラの良さをよく吸収したキャラ造形】
見た目的にはレズっ娘なダルタニアン(♂;エロシーンあり)も含め、綺麗なお姉さん揃いの三人娘、リシュリュー枢機卿の腹心・ミレディー、アンヌ姫およびサブキャラ1名とエロ要員を多数取り揃える構成は前々単行本・前単行本『は~れむ・ちゅーん』の方法論を彷彿とさせます。
エロ漫画的に華やかなキャッチーネスを添加しつつも、原作での意外な黒さを上手く練り込んだダルタニアンなど、ストーリーと同じくキャラ造形面にも元キャラの人物像をよく掴んだ面があるのは美点の一つ。
また、上述した様に、作中の各エピソードにおいて個々のキャラクター間の関係性を形成するという流れが、いわゆる“捨てキャラ”を少なくし、それぞれの登場人物の魅力を高めているのも作品構成上の旨味と言えます。
くっきりとした描線や鋭角的な輪郭が特徴の絵柄は最先端とは言い難いものの、オールドスクールな地の絵柄を適度に当世風にクロックアップしており、胡乱な表現が許されるならば“阿吽らしい”画風。少々クセはありますが、訴求層は決して狭くないタイプでしょう。
絵柄は言うまでもなく安定していますが、ヒットさんの単行本名物の美麗彩色の表紙絵とは受ける印象は結構異なることは要留意。
【ハード&アグレッシブなエロシーン】
ストーリー展開にエロシーンがよく折り込まれていることもあり、エロの分割構成を取らないこともあってしっかりとした尺で濡れ場が提供されているので抜き物件としても好適な作りになっています。
エロとしてのハードさは共通しているものの、ガチの凌辱エロに重点を十分置きつつ、籠絡エロやラブラブエッチもあったりと趣向は各話の方向性に合わせて様々。
スパンキングや拘束、媚薬など攻撃的なエロ要素を含有すると共に、ある程度ヒロインの苦痛や屈辱を明示してくるため、甘いエロスは少なめではありますが、エロ展開序盤の性感の強烈さと行為後の明るい方向への展開によって陰惨さをほぼ払拭しているのも訴求層を広げる上では正解でしょう。なお、ダルタニアンきゅんががっつりケツ穴を掘られる凌辱シーンがあったりしますので、作品の主要素でないとは言え、その手の要素が苦手な方は要留意。
小~中ゴマをやや独特の割り方で詰め込むページ構成は視覚的にやや五月蝿い印象がないわけではないですが、メインとなる仰け反るまでの快感に染め上げられる肢体と脇を固める結合部描写・表情描写をたっぷり詰め込んだ誌面は実用性を下支え。
輪姦や複数ヒロインとの同時エッチという場面も多く、前穴中出しを主としつつそこにアナル射精やぶっかけ等が加わるフィニッシュは、画的にややインパクト不足ながらもそこまでの煽情性の積み上げが適当である分、良い抜き所となっています。
パロディ作品として完成度が高いですし、ヒロインやエロシチュの多彩さもこの作家さんの持ち味がよく生きていると感じます。
キルタイム系の戦闘ヒロイン凌辱モノのエッセンスを盛り込みつつ、適度なコミカルさやストーリーそのものの漫画的な面白みは阿吽らしさがよく出ている感があり、阿吽の看板作家の一人として面目躍如の1冊でしょう。お勧め!
コメント
ツンデロ、メイド嫁、次はなにがきますかね?
Re: ツンデロ、メイド嫁、次はなにがきますかね?
どうも、コメントありがとうございます。
ラジオの方、楽しんで頂けましたら、幸いです。僕の場合、酔っ払ったおっさんの戯言でしたけどね(苦笑
一応、整理は付けて本棚に収容していますが、納まりきらない単行本で机の上は正に獺祭といった有様ですかね(笑
これからもがんばりますので、レビューというか紹介した作品を楽しんでいただければ嬉しく思います。
ではでは~
ラジオの方、楽しんで頂けましたら、幸いです。僕の場合、酔っ払ったおっさんの戯言でしたけどね(苦笑
一応、整理は付けて本棚に収容していますが、納まりきらない単行本で机の上は正に獺祭といった有様ですかね(笑
これからもがんばりますので、レビューというか紹介した作品を楽しんでいただければ嬉しく思います。
ではでは~
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ラジオということで、ドキドキしながら初投稿してみました。頑張ってください!楽しみ。
以前からずっと聞こうと思っていたのですが、家はエロ本に囲まれてるかと思うのですが、大丈夫なのですか。私はエロ本に囲まれて死ぬのは本望でもエロ本で家が壊されるのは嫌です。これからも応援しています!