基礎工学部システム科学科電子システム学コース2年次科目

基礎工PBL


<<開講の理念>>

 大阪大学基礎工学部システム科学科電子システム学コースのPBL(Problem-Based Learning)科目「基礎工PBL」は、独創的な学術研究を推進し、国際社会で活躍できる豊かな創造性をもった学生を養成することを目的として、従来の学部教授法の慣習にとらわれることなく、新鮮で自由な教育研究の推進を図ることを目指します。
 近年我が国の社会体制は急激に成熟化し、若年層における学問への動機が失われつつあります。そのような状況の中で、我が国が今後とも創造性と活力のある社会を維持し、国際社会において主要な役割を果していくためには、優れた人材の育成や新しい知恵の創造に努めることが不可欠であり、学部教育が果すべき役割は極めて重要となってきています。学問、研究は外から強制されて推進する性質のものではないし、教授法で修学の枠組みを規制することで進展するものでもありません。自主的・自発的な内省と透徹した洞察に基づく内部からの自己研鑽によって初めて到達きるものです。かつ、そのような青雲の志を有する能動的な学生を固定的な修学体系の杜に埋没させるのではなく、適切なる活躍の場としての21世紀の「適塾」が必要です。
 このような状況の中で電子システム学コースは、専門科目の積極的かつ自律的な学習の動機づけを行うために、学部学生が自主的に立案し計画を立て、
自らの創意工夫で進めることによって正規の単位が得られる科目「基礎工PBL」を平成12年度より開講します。そこでは、学生諸君に以下のような自律的な取り組みを求めるに対して、教官団も積極的にその実行を支援します。
  <実施想定例>
●自主演習への参加 ・システム製作、システム分析、システム設計
●各種学術競技会への参加 ・ロボコン、アルゴリズムコンテスト、数学オリンピック
●社会への参加 ・起業、企業実習、社会貢献活動

14年度発表会実施報告

13年度実施状況
12年度実施状況


<<14年度PBL担当教官割り当て>>

実施学生 テーマ 担当教官
越澤 勇太 「コンピューター上で行うロボットサッカーシミュレーション」 谷内田 先生
大森 裕介
山本 景子 「画面上で陶芸をする」 西躰 先生
三木まどか 「CG作成とその操作」
田畑隆一 「テレオペレーション対決」
八木 先生
孫田 康雄
清水真之 「HTCPCPの実装」
新井 先生
高橋怜士
坂田 智則 「健康器具(水平ぶら下り器)の製作」
井口 先生
伊久美 亮太
青木洋一 「フラッシュと連携した掲示板の製作」
砂山 先生
飯田祐基
竹田信子 「3DCGを用いて作品を作る」
小林 先生
越智 景子 「動きにこだわった3DCG」
楠木 祥文 「3D空間の物体を触ってみる」
佐藤 先生
日浦 尚利 「ユーザビリティ評価をやってみよう」
西田 先生

2002年6月4日

平成14年度PBL実施要領


2002年4月17日


<<14年度PBL実施予定>>



<<14年度PBL 教官側キーワード,テーマ案 (質問は各教官へ) >>


教官名 キーワード テーマ案(タイトルと簡単な説明)
新井 健生 テレオペレーション
インターネット
「インターネットを介したロボットの管理」
 例えば,Webを介してサーバー,クライアント間の通信を確立し,ロボットの簡単なコントロールやモニタを実現する.
井口 征士 健康支援  健康器具(水平型ぶら下り器)の製作 または 癒し系3D空間の作成 (モノ作りがすきな人は器具作りを、プログラムが好きな人はコンテンツ制作を)
藤井 隆雄

ダイナミクス
シミュレーション
制御

「倒立振子の運動の解析と制御」
 学生実験用に製作された倒立振子のモデルをWorking Modelを使って作成し,その動きをコンピュータ上のアニメーションの形でシミュレートする.それにより,ダイナミクスの理解を深めた後に簡単な制御系を構成してシミュレートする。最後に実物の動きとの比較検討を行う。
藤重 悟 アルゴリズム
「LEDAを使ってみよう」
 問題解決のための高度なアルゴリズムを実装しようとするとき, より基本的なアルゴリズムを組合せて全体として複雑なプログラムとして構成する必要が出て来ます.すべてを一からプログラム化するのでは大変な作業になりますが, そのようなアルゴリズムの実装を用意にするために作られたのが LEDAというソフトウエアライブラリで,高級言語の感覚で使うことができます.身近な問題に対してLEDAを使ってみましょう.
田村 坦之 地球温暖化対策
省エネ
再資源化
資源効率最大化
「環境対応型ライフス タイルの設計と評価」
 枯渇資源(主に石油)に依存した大量生産,大量消費,大量廃棄型のライフスタイル は,地球環境に大きな負荷をかけ,持続的発展とはかけ離れた軌道を走り続けてきた .このライフスタイルを,環境にやさしいライフスタイルに軌道修正したい.これに寄与する物(ハード),事(ソフト)あるいはシステム(ハード・ソフト)を新たに設計し,その効果を評価せよ.自由な発想とチャレンジ精神に期待しています.
西田 正吾 ヒューマンインタフェー ス   あくまでも一例ですが,「ユーザビリティ評価をやってみよう」(使いやすさを評価する手法を自分たちで調査するとともに,身近な例を取り上げどこに問題があるか考察してみる)
谷内田正彦 コンピュータビジョン
画像処理
コンピュータグラフィックス
バーチャルリアリティ 
好きな人との間に生まれる子供はどんな顔自分の顔と第3者の顔の合成顔を作成する。
潮 俊光 カオス,非線形現象 初期状態が少し異なるだけで全く異なった振る舞いをする現象をカオスと言います.
カオスが発生する電子回路の作成やコンピュータシミュレーションによるカオスの解
析などを通じで,非線形現象を理解し,その工学的応用を考えます.
佐藤 宏介 デジタル映像編集技術  「科学映画を作ろう」 
 最新のデジタル映像編集技術を駆使して、小学生向けに「システム科学」を解 説する.科学技術短編映画を企画編集します。シナリオ制作、ロケ撮影、特殊撮影、CG制作、 映像効果、BGM制作、映像編集を企画実習してもらい、教育映像祭や科学技 術映像祭等 への出品を目指します。参考図書:岡野薫子、科学映画にかけた夢、草 思社。
田地 宏一 数値計算
精度保証
IEEE754
大規模
「精度保証付き数値計算の実際」
近年,数値計算において精度保証ということが興味を持たれている.これは,小数点以下何桁目までは絶対に正しい,ということが理論的に保証できる計算のことであり,それを実現できるハードウェア環境も整ってきている.ここでは,実際に精度保証付き数値計算のプログラムを作成しつつ,ハードウェアについても勉強してみましょう.
牧野 和久 離散アルゴリズム
組合せ最適化
身近な,日常生活に関係するような最適化問題をモデル化して,解決するアルゴリズムを設計してみる.
八木 康史 遠隔操縦 「テレオペレーション対決」
私の研究グループでは,周囲360度が一度に見える全方位カメラと超広角視 野のディスプレイにより,テレオペレーションシステムを構築しています.今回のPBLでは,ラジコンを制御対象に,学生諸君に自由な発想でテレオペレーションシステムを作製してもらい,我々のシステムと対戦してもらい,システム構築の難しさを学んでもらうことを考えています.
小原 敦美 統計的(信号)処理
最適化
グラフ ィカルモデル 
「データから裏の関係を推理する」 
 多変量データの背後にある変数間の相関・依存関係を調べる手法としてグラフ ィカル モデリングと呼ばれるものがある.この手法を用いて実際のデータを解析し,データ 発生源の構造に関する知見を得る.例えば脳波データからの活動部所間の関係推定な ど.
井上 健司 ロボット  LEGO MINDSTORMS などを用いて簡単なロボット作り,動かす.自由な発想で,おもしろいロボットつくって欲しい.
山本 茂  カオス 信号 「カオスを聴く」 
 カオス時系列データを生成し,それを音声データに変換して聴いてみる.
非線形システム 制御 「リズムを造る」
非線形システムを制御して,様々な周期軌道を生成し,リズムを発生させる.
西躰 朝子 画像処理
CG
シュミレーション
「バーチャル内視鏡」
MRやCTなど人体の断層写真をもとに,臓器をモデリングし,内視鏡のシュミレーションCGを作る.
小林 啓吾 3D
CG
力学
「OpenGLによる力学を考慮した3Dアニメーション」
 OpenGLというソフトウェアを使って3Dアニメーションを用いたアプリケーションのプログラミングを行う.力学を考慮することにより自然な動きを表現する.マウスなどを用いて内部の運動に干渉できるゲームのようなものを作ってみる.
金子 修 倒立振子
制御
コンピュータ
「コンピュータを用いた倒立振子の安定化制御」
何もしなければ倒れてしまう振子をコンピュータを用いて制御することにより立たせる(倒立させる).
砂山 渡 インターネット
情報検索
サーチエ ンジン 
「検索ユーザの検索過程の解析」 
 サーチエンジンを用いるインターネット利用者が,入力として検索語を与えて から目的の情報を獲得するまでの過程について詳しく調べ,次世代の検索技術のあり 方について検討する.
下村 卓 動的システム
数値解析
シミュレー ション
「計算機による動的システムの数値解析 」
 (簡単な説明)動的システムを数学モデルで表現し,その振る舞いを計算機に より数値的に解析する.二慣性系の計算機シミュレーションを通して数値計算の基本 理論と適用上の問題点を体得する.