砂糖消費量が“表示されていない”と健康専門家らが訴え

〜砂糖の健康への影響を見直すよう迫られる厚生省と農務省〜

原文:『Sugar Comsumption 'Off The Charts' Say Health Experts 〜HHS/USDA Urged to Commission Review of Sugar's Hearth Impact〜』__出典:CSPI・Newsroom

[1998年12月30日 ワシンントン発]

健康と栄養の専門家の大団体が、アメリカ国民の砂糖摂取量の急上昇を指摘し、連邦政府に対し国立科学アカデミー(NAS)が砂糖摂取の健康への影響を調査するよう要請した。厚生省と農務省に宛てた手紙の中で専門家らは、砂糖消費量の多い食事が肥満、腎結石、骨粗しょう症、心臓病、虫歯を促しているとする科学的証拠を示した。

この要請文に署名したのは、ハーバード医科大学のジョージ・ブラックバーン博士、イェール大学のケリー・ブラウネル博士、ニューヨーク大学のマリオン・ネスル博士、ハーバード公衆衛生学校のウォルター・ウィレット博士、アメリカ公衆衛生協会、アメリカ学校衛生協会、C・エベレット・クープの“シェイプアップアメリカ”協会、栄養教育協会、市民の関心科学センター(CSPI)、そのほか38の教授および健康について活動している団体である。

農務省によれば、一日に二千カロリー消費する人は、砂糖をおよそ小匙10杯分を越えて摂取してはならない。同省の調査では、アメリカ人一人当たりの砂糖摂取量は一日平均およそ小匙20杯分である。

『砂糖消費量が表示されていない』と、CSPI会長のマイケル・F・ジェイコブソンは語った。『清涼飲料水、ケーキ、クッキーといったジャンクフードに大量に含まれている砂糖添加物は、健康に良い食べ物を食事の中から締めだします。現在、アメリカ人の総摂取カロリーのうち平均16%が砂糖で占められ、十代の青少年では20%です』

政府の調査では、1977年から78年にかけて砂糖添加物は平均して総カロリーのうち11%しか占めていなかった。

12オンス缶入り清涼飲料水には、およそ小匙9杯分の砂糖が添加されており、砂糖摂取量を引き上げる大きな要因になっている。国民一人当たりのソーダ水消費量は、1974年以来二倍に増加した。要請文の中で専門家らは、十代の少女と若年女性の多くがカルシウム分の多い牛乳の代わりに炭酸ソーダを飲んでおり、そのことが彼らの間に骨粗しょう症の増加を促す原因になるかもしれない、と警告した。

1942年、アメリカ医師会(AMA)は、甘味料入り炭酸飲料、キャンディ、そのほかの砂糖含有量が多くて栄養価の乏しい食べ物への懸念を表明した。AMAは、『そのような食品の摂取を規制するためのありとあらゆる実際的な施策を講ずるべきである』と勧告した。1942年以来清涼飲料水の消費量は約7倍(ダイエット・ソーダは除く)に、砂糖全体の消費量は3分の1増加した。

『多くのアメリカ国民が、新年に、健康的な食事をして体重を減らそうと決意します。その目標を達成するには、栄養価の貧しい砂糖添加物食品、例えばソーダ水、クッキー、キャンディ、小麦粉焼き菓子などを減らせばよいでしょう』と、CSPIの科学者マーゴ・ウータン博士は述べた。

健康専門家らの要請文に引用された研究によれば、大部分のアメリカ人の果物と野菜の消費量は推奨値を下回っており、合衆国の肥満率が急上昇している。二十年前、十代の青少年はソーダ水の二倍牛乳を飲んでいたが、今では牛乳の二倍のソーダ水を飲んでいる。

専門家らは、国立科学アカデミーが砂糖消費量について早急に調査を行い、砂糖添加物がアメリカ国民の食事と健康に及ぼす影響を査定するよう求めた。その調査は、将来の政策の変更とさらなる研究を進めるものにならねばならない、と彼らは語った。

『我々は脂肪にばかり注目していて、砂糖のことを忘れていますが、国をあげて甘いものに夢中になっている状況をもう考え直すべき時に来ています』と、ジェイコブソン博士は結んだ。

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