厚労相:医療扶助大幅減は否定 生活保護1割下げに意欲

毎日新聞 2012年12月27日 22時26分(最終更新 12月27日 23時55分)

 田村憲久厚生労働相は27日午後の記者会見で、日常生活をまかなう生活保護費の生活扶助に関し、「下げないことはない」と明言し就任時に表明した「最大1割減」に意欲を示した。一方、全額公費負担の医療扶助(医療費)の大幅削減などには否定的で、現実的な対応を強調した。自民党が生活保護の圧縮を掲げたのは民主党を「ばらまき体質」と攻撃する狙いもあったわけで、政権に復帰すれば強硬路線一辺倒とはいかないようだ。

 「必要なものを切るわけにはいかない」「何もかも強制的にとなると、内閣が弱い立場の人に厳しいイメージになる」。田村氏は会見で「弱者切り」の意図を強く否定した。

 生活保護費の国庫負担は年間約2.8兆円。うち生活扶助は約1兆円で、「最大1割減」を実現しても削減額は1000億円。自民党は政権公約に「生活保護費の8000億円削減」を掲げており、達成には約1.4兆円の医療扶助への「切り込み」が不可欠だ。だが、田村氏は医療費への自己負担導入には「問題点がある」と述べ、安価な後発医薬品(ジェネリック)の服用義務付けにも慎重な姿勢を崩さなかった。

 代わりに挙げたのは、景気回復と自立支援の強化という地道で現実的な手法。8000億円減の公約に関し、厚労、財務両省は「実現できるはずがない」と冷ややかだ。

 それでも生活扶助費の最大1割減という方針は弱者を直撃しかねない。首都圏の40歳代の男性受給者は「引き下げは命にかかわる。公約にこだわらず、私たちの生活ぶりをみてほしい」と訴える。吉永純・花園大教授(公的扶助論)は「1割カットすれば生活保護の貧困救済機能を大きく縮小させかねない」と懸念を示す。【鈴木直、遠藤拓】

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