東京電力:「福島復興本社」1日設立 具体的計画これから

毎日新聞 2012年12月31日 19時42分(最終更新 01月01日 00時27分)

広瀬直己・東京電力社長=宮島寛撮影
広瀬直己・東京電力社長=宮島寛撮影
東京電力の主な福島復興支援策
東京電力の主な福島復興支援策

 東京電力は1月1日、「福島復興本社」を福島第1原発事故の収束作業拠点「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)に設立した。廃炉の国際拠点となる研究機関や次世代石炭火力発電所の県内への設置に向けた作業も年明け以降本格化させる。「事故責任をまっとうする」(広瀬直己社長)のが狙いだが、具体的な計画作りはこれから。業績悪化で手持ち資金が限られる中、どこまで効果的な復興策に取り組めるのかが問われそうだ。

 「事故への対応こそ新生東電の原点。福島から逃げない」。実質国有化から100日目の12年11月7日、広瀬社長が復興本社の設立記者会見で強調した。

 復興本社には、賠償や除染の判断権限を東京の本店から全面移管する。県内の人員も13年末までに約500人増の4000人体制に拡充。遅れが指摘されている賠償支払いや除染業務を加速させる。復興本社以外の全従業員も年2〜3回、交代で福島入りして家財搬出などを手伝い「福島に寄り添う」(広瀬社長)姿勢を示す。

 原発事故の影響で福島は、人口流出と雇用の減少が続くという問題も抱える。東電は復興本社設立と同時に石炭火力の建設構想を発表。石炭火力は建設時に2000人、運転に200人、数年ごとの定期検査で1000人分の仕事を生むとされ、雇用回復と生活再建の「目玉施策」(役員)に位置づける。

 給与計算や電話受け付けなど関東で行っている業務の一部も県内に順次移す。廃炉の研究機関は13年春の発足を目指す。「福島で生活する社員が増えれば、地元商店街などに活気が戻り、復興を後押しできる」(広瀬社長)との考えからだ。

 しかし、計画には課題も多い。原発事故で経営不安に陥った東電は実質国有化時、大型発電所を単独で建設せず、原則として外部企業から入札で電気を買うことを義務づけられた。現状の枠組みでは福島に石炭火力を建設するのは難しく、広瀬社長は「復興支援のための特別な配慮」を政府に要請。廃炉の研究機関設立も「東電1社では手に負えない」(経済産業省幹部)ため、政府や国際原子力機関(IAEA)などからの支援が必要となる。

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