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音楽、文化、スポーツなど、
さまざまな分野で活躍されている、熊本県ゆかりの方に、
熊本の魅力、熊本の好きなところなどを語っていただきます。
今月は、『巨人の星』や『いなかっぺ大将』など数多くの
名作漫画を生み出し、数々の漫画賞を受賞するなど活躍。
約3年前に東京から熊本に移り住み、現在は、新たな作品を
構想中の漫画家の川崎(かわさき)のぼるさんです。 |
脇役のキャラクターが個性を備えていることが『巨人の星』の強みです |
Q1 代表作『巨人の星』への思いや、この作品に関するエピソードを教えてください。

川崎のぼるさん
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『巨人の星』の反響は大きく、掲載していた週刊『少年マガジン』の部数が一気に100万部を突破するなど、当時はものすごい熱気に包まれていましたね。そして、そのころが、急激に漫画が発展し日本の文化として定着した時期でもあります。漫画が、文化として誇れるものになったということは、われわれが一生懸命やってきたことが報われたようで、とてもうれしく思います。
『巨人の星』がなぜ成功したかというと、主人公の星飛雄馬(ほしひゅうま)を中心に、ライバルの花形満(はながたみつる)と熊本出身という設定の左門豊作(さもんほうさく)、親友の伴宙太(ばんちゅうた)、そして飛雄馬の父の一徹(いってつ)、姉の明子(あきこ)と、それぞれが主役として一つの物語が作れるぐらいの脇役ががっちりと主人公の周りを固めているからだと思います。そこに、登場人物が絡み合い、切磋琢磨(せっさたくま)しながら生きていくという青春群像があります。今でもいろいろなCMで『巨人の星』のキャラクターが使用されますが、面白いのが、星一徹だけ、花形満だけというように、脇役のキャラクターにもCMの依頼が来るんです。脇役のキャラクターがそれぞれ一本立ちできる個性を備えているというのは、ほかの漫画にはそうないと思うし、『巨人の星』の大きな強みだと思います。
それまでの漫画は、「正義」と「悪」があって、最後には「正義」が勝つという内容のものが多かったように思います。けれども『巨人の星』では、星飛雄馬という一人の男の成長を通して、野球への情熱や友情など美しい部分だけでなく、ねたみや挫折、金銭問題など、ドロドロした部分も描かれています。でも、それは誰もが持つ自然な感情だと思います。だから逆に新鮮で、読者に切実に伝わり、共感を持ってもらえたのではないでしょうか。
『巨人の星』連載中は、事務所にこもりっきりで、徹夜の連続でしたけれど、大変だとは思いませんでしたね。まだ20代で若かったし、漫画を描いていることが楽しくて仕方ありませんでした。漫画を描くことに、没頭していました。まさに「青春」ですね。そして、原作者の故・梶原一騎(かじわらいっき)さんもわたしも、この『巨人の星』で自分の地盤を築けたと思います。
Q2 熊本でのお気に入りの場所を教えてください。また、熊本の好きな食べ物は何ですか?

川崎のぼるさんの作品
『巨人の星』 |
人込みが苦手で、東京に居たころはほとんど出歩かなかったのですが、熊本に来てからは趣味の釣りやゴルフ、映画鑑賞など、あちこち出掛けるのが楽しみになりました(笑)。釣りは熊本に来てから始めたのですが、天草(あまくさ)郡五和町(いつわまち)にある通詞島(つうじじま)に行くことが多いですね。今年の正月にも行ったばかりです。ゴルフや映画鑑賞は、妻と共通の趣味です。東京に居たころは3〜4時間かけて山梨(やまなし)県や群馬(ぐんま)県のゴルフ場へ行っていましたが、今は家の近くにゴルフの練習場があるので、夫婦で月に数回は行きます。お気に入りの場所は、阿蘇(あそ)郡南阿蘇村(みなみあそむら)にあるゴルフ場。正面に阿蘇五岳(あそごがく)や田園風景が一望でき、最高のロケーションです。桜の時季もいいですよ。以前、東京から来た出版社の方を案内したら、みんな喜んでくれました。雄大な自然に囲まれた南阿蘇にはお気に入りの場所が多く、俵山(たわらやま)トンネルの開通によって短時間で行けるようになったので、水源や滝などにもよく出掛けます。そのほか、新鮮な農産物が手に入る県内の物産館にもよく行きますよ。
熊本のおいしいものといえば、天草で釣った魚ですね。中でも、メバルが一番です。熊本に来てから知った魚で、刺し身やソテーにして食べることが多いです。また、熊本の味といえば、妻がたまに郷土料理の「だご汁」を作ってくれます。わが家の「だご汁」はみそ仕立てで、小麦粉で作る「だご」は平たい団子ではなく、ちぎって入れる丸い団子です。そのほか、わたしは大のめん好きなので、チャンポンやうどん、そばなど、それぞれ熊本でのお気に入りの店があります(笑)。
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●プロフィル● |
川崎のぼる(かわさき のぼる)
漫画家。1941年大阪府生まれ。1957年に単行本『乱闘・炎の剣』でデビュー。その後、少年誌などで、スポーツ漫画やギャグ漫画、人情物などさまざまなジャンルの作品を発表する。代表作に、『巨人の星』(原作者:梶原一騎)や『いなかっぺ大将』などがある。1967年に『巨人の星』で第8回講談社児童まんが賞、1968年に『アニマル1』『いなかっぺ大将』で第14回小学館漫画賞、1978年に『フットボール鷹』で第2回講談社漫画賞を受賞するなど活躍し、漫画が文化として認識されるまでに至ったことに大きく貢献する。『巨人の星』『新・巨人の星』(原作者:梶原一騎)『いなかっぺ大将』『てんとう虫の歌』『荒野の少年イサム』はテレビアニメ化されている。2003年に東京都から熊本県に移り住み、現在は新たな作品を構想中。 |
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