北海道電力:家庭向け1割値上げへ 泊再稼働、見通せず
毎日新聞 2013年01月01日 17時21分(最終更新 01月01日 22時27分)
北海道電力は家庭向け電気料金を1割程度値上げする方針を固めた。今年度内にも経済産業省に申請する。昨年5月に全3基が停止した泊原発を補うための火力発電所の燃料費が膨らみ、経営を圧迫していることが要因。料金改定による家庭向け電気料金の値上げは32年ぶり。
北電の12年度9月期中間決算(連結)では過去最大の486億円の赤字を計上した。このため役員報酬や社員賞与カットなどの経費削減を進めてきたが、12年度通期の赤字は1000億円規模に膨らむことは避けられないとされる。さらに原発再稼働の可否を判断する原子力規制委員会の新たな安全基準による審査も今夏以降になる公算が大きく、泊原発の再稼働の道筋も見通せない。
北電はこうした状況を踏まえ、原発停止が長期化した場合の財務状況をシミュレーションした上で、値上げ実施を判断した。
値上げに伴い、同社の施設売却や人件費圧縮などの合理化も進める。
川合克彦社長は10月の記者会見で「(泊原発の)再稼働に移るか料金改定かどちらかの選択が必要」と述べ、値上げについては「年度内に判断する」としていた。
電気料金の値上げは東京電力が実施したほか、関西、九州両電力も値上げを申請している。【吉井理記】