2012年の音楽業界を振り返って〜業界関係者が今年の音楽産業を総括

榎本幹朗榎本幹朗さん
(コンサルタント)
——2012年の音楽業界を振り返って。

国外は底打ちの年。スウェーデンほかSpotifyで回復に入った国も出てきました。国内は後ろ向きの話が一段落し、変革へ踏み出した年です。日本はこれからです!

——印象に残った出来事。

今年は洋楽チャートが楽しかったです。ゴティエ、カーリー・レイ・ジェプセン、フォスター・ザ・ピープル、パッション・ピット、ワン・ダイレクションetc、元気な感じの年でしたね。カタログでは、ボサノヴァとヒップホップを混ぜたマルセロD2などをPandoraで発見。それと個人的には、アユ・ラトゥナや ピー・ウィー・ガスキンスなど、インドネシアを発見した年でした。

来年は邦楽を発見する年にしたいので、ミナミホィールなどに顔を出すよう努めようと思います。おすすめがありましたらぜひ、Twitterで教えて下さい(^^)。

——2012年の各チャートに関して。

チャートの革新が待望されます。UKチャートはイノヴェーションを重ね、CD、エアプレイ、ストリーミング、DLの総合チャートに。日本もエアプレイ、着うた、レンタル、ストリーミングを反映して、「音楽ファンを創るチャート」を目指しましょう。邦楽はTUTAYAレンタルのチャートがバランスいいですね。洋楽チャートはSpotifyが実感に近いです。

——音楽業界、2013年の展望について。

実現の年。将来の悲観論・楽観論を語る段階は今年で終わり。現実的なリスクテイクが始まる年です。トップレベルの水面下で起きた変革を、音楽ファンに気づいてもらえる所まで広げてゆきましょう!


榎本 幹朗さんの連載:『未来は音楽が連れてくる』