貴州サンゴ
角状の貴州サンゴ
安順の竜宮(鍾乳洞)の近くの商店街で貴州サンゴを見つけました。はじめは何かの動物の角ではないかと見ていたのですが、メンバーの方からサンゴではないかと教えてもらって、確保しました。
案外貴重なもので、貴州サンゴは古生代石炭紀前期に限られて産出するので示準化石として有用なものだったのです。
貴州省付近では石炭紀の石灰岩がよく発達し、多くのサンゴ化石を産出するそうで、そのサンゴの中の一つにケイチョウフィルムと名づけられたのです。ケイチョウとは貴州の中国読みで、貴州サンゴのことなのです。
サンゴ類はイソギンチャクやクラゲの親せきにあたる動物だそうです。しかし、それらと異なる点は、石灰質の殻を分泌することなのです。単体が基本的な形態だけれども、その外形にはいろいろな変化があり、皿状、コップ状、角状、筒状をはじめ稀に四角錘、スリッパ状などがあるそうです。
この貴州サンゴ(ケイチョウフィルム)は、まさに角状のもので、長さが15cmもあり、太さは直径約4cmあります。
少し拡大してみました。(15×4×3.5cm)
石炭紀前期のサンゴ類は、日本、中国、小アジア方面にまでも分布していて、これらの地帯が石炭紀前期において同じ海域に属していたことを物語っているのです。大きい目で見ると、シベリア大陸とインドやアフリカ、オーストラリアなどの大陸にはさまれたテチス海の一部にあたるといわれています。
※テチス海・・・古生代・中生代を通じて存在し、その中に厚い堆積物を積もらせてきました。それが中生代の終わりから新生代にかけて大山脈となり、今のアルプスやヒマラヤ山系の母体となった海なのです。

0