契約不履行が原因、ハングルのインドネシア輸出計画が失敗

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  韓国の訓民正音学会は2008年7月、インドネシアのスラウェシ州ブトン島バウバウ市と「ハングル文字とハングル文字教師の育成覚書」に調印し、09年から正式にハングル文字を現地の少数民族チアチア族の文字とすることになっていた。しかし、韓国側による経済援助が実施されないため、この計画が消滅の危機に瀕している。9日付で環球網が伝えた。

  韓国のNOCUT新聞網によれば、バウバウ市市長は11年3月、ソウル市に対して公文書を送り、「訓民正音会とのパートナー関係断絶」を通告してきたという。

  ソウル市の関係者は、「韓国訓民正音会が、約束していた韓国文化センター建設を含む一連の経済援助を履行しなかった。訓民正音会は民間法人であるため、バウバウ市との間で摩擦が生じた」と述べた。

  バウバウ市としては、ソウル市によって経済援助項目の問題を解決してもらいたいと希望しているが、ソウル市側は難色を示している。ソウル市は、「われわれは教育機関ではなく、ハングル文字普及もわれわれの業務範囲ではない」としている。ある政府高官は、インドネシアの公式文字はローマ字を使用しているのに、韓国がハングル文字を普及させようとするなら、「文化侵略」とみなされ、外交摩擦を引き起こすことを心配しているという。

  現在のところ、バウバウ市のハングル文字教育はほぼ中断しており、3つの学校の193名のチアチア族の学生だけが、今でもハングル文字の教科書を使っているという。

  韓国YTNテレビは、「ハングル文字は人類でもっとも優秀な文字」であり、日本の学者の言葉を引用して「ハングルの誕生、奇跡の文字」と報道していた。しかし、インドネシアへの輸出失敗についてNOCUT新聞網は、「ハングル文字の世界化計画の成績は、非常にお粗末なものだ」と評している。(編集担当:及川源十郎)

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