特集ワイド:識者が見る、安倍新政権

毎日新聞 2012年12月27日 東京夕刊

「危機突破内閣」を自称する安倍首相だが……=手塚耕一郎撮影
「危機突破内閣」を自称する安倍首相だが……=手塚耕一郎撮影

 衆院選での大勝を受けて、安倍晋三政権が26日に発足した。07年9月に在任わずか1年で退陣して以来の再登板となる安倍さん、今回の政権運営はいかに。経済、外交など問題山積の難局を担うことになる内閣の顔ぶれをどう見るか、識者に聞いた。【瀬尾忠義、井田純】

倉田真由美さん
倉田真由美さん

 ◇新味ないにもほどが−−漫画家・倉田真由美さん

 事前にいろいろ言われていた顔ぶれよりも無難な方向なのかな、という感想です。若い人はそれほど多くないし、女性閣僚を何人も起用するような報道がありましたが、ふたを開けてみたら結局2人だけでしたしね。

 沖縄・北方、科学技術担当で初入閣した山本一太さんは、テレビで何度かご一緒したことがあります。堅苦しくなくタレントみたいな感じですが、政治家としての印象は特にないなあ。安倍さんと近いから選ばれたんでしょうか。

 それにしても、麻生太郎さんが副総理兼財務相兼金融担当相なんて重要ポストなのは、どういうつもりでしょう。一度首相をやった人が再登板すること自体、賛否が分かれているのに、ナンバー2まで元首相というのは新味がないにもほどがある。首相当時は失言放言が多かったし、会社の人事だったらあり得ない。麻生さんの良さって何でしょうかね。高齢だから最後の花道とか、景気対策がうまくいかなかったときに責任を取ってもらいたいからなのか。

 全体に突っ込みどころを少なくしたつもりなのかもしれませんが、前回衆院選でノーを出されたことを踏まえて、新しい自民党になるという姿勢がうかがえない。今回の選挙戦でも民主党政権でうまくいかない点があったのを「だから言ったでしょ」と言わんばかりに、まるで私たち国民のミスみたいに主張していたけど、おかしいでしょう。自民党も3年前にダメだと言われたんです。謙虚になるべきですよ。

 DV(ドメスティックバイオレンス)の前カレと別れたら、新しいカレは働かないヒモだった、やっぱり前カレの方が−−なんて私の漫画みたいなことじゃダメです。私たち国民もその点を勘違いしないようにしないと。

成田憲彦さん
成田憲彦さん

 ◇ほごにされた財金分離−−元首相秘書官・成田憲彦さん

 今度の内閣は、甘利明、下村博文、山本一太の3氏ら「お友達」、麻生太郎、谷垣禎一両氏ら「ビッグネーム」、茂木敏充、林芳正両氏ら「政策通」という三つの要素を組み合わせた布陣だ。前回の安倍内閣は「お友達」が目立って批判を受けたが、その反省とともに、党内融和や論功行賞を重視してつまずいた民主党政権の経験も参考にし、熟慮した形跡がうかがえる。党四役と併せて女性を多用し、無派閥や初入閣者の起用も目立つ。あえて言えば「自民党は変わった」と見せることに腐心した印象だ。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

TAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

ふくしまの希望ふくらむプロジェクト

ふくしまの
希望ふくらむプロジェクト

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン