'13/1/1
可部線15年度に延伸 広島市とJR、近く最終合意
廃止されているJR可部線の可部―旧河戸間(広島市安佐北区)を電化で復活させる計画で、広島市とJR西日本が2015年度の運行開始を目指し、近く事業化の最終合意をすることが31日、分かった。12年度中に着工し、総事業費は約30億円に上る見通し。国土交通省によると、JRが廃止路線を復活させる全国初のケースとなる。
市やJR関係者によると、1月中旬までに、2カ所設置する新駅の位置や事業化の手法などを盛り込んだ覚書を交わすとみられる。
延伸区間は約1・6キロ。旧河戸駅近くの県営住宅跡地に最終駅と、安佐北区役所などに近い可部駅との中間点に新駅を設置する。敷地は廃線敷を活用。駅舎やレール、鉄橋などは市が国の補助を受けて整備し、JRに無償譲渡する。市は関連予算を13年度当初予算案に盛り込む見通し。
大がかりな駅舎の改修などは市が受け持ち、電車や線路の保守など運行にかかわる経費はJRが運賃収入などでまかなう。
安全性と住民の生活利便性の確保から、これまで協議がまとまっていなかった4カ所の踏切のうち、移設も含めて3カ所を復活させる見通し。
長年地元からの要望があった電化延伸は、08年9月、可部線の活性化調査が国の補助対象となり、市やJRでつくる協議会が検討を始めた。
市は11年度当初予算に着工経費を盛り込んだものの、踏切の扱いなどをめぐってJRや国との協議が難航。関連予算を12年度に繰り越し、協議を続けてきた。