【竹下隆一郎】自分の近況や意見を投稿し、反応が返ってきたり、新しい人と出会ったり。ツイッターやフェイスブックなど「ソーシャルメディア」は、双方向で交流できるのがだいご味だ。最近は、情報を次々と拡散させていく伝達力にも注目が集まっている。
「夢はでかく」「フォロワー増」 つぶやいた新年の抱負「基地のこと話したい!」 沖縄、つぶやきながら歩いた特集:ビリオメディアツイッターは世界で2億人が使っている。特徴のひとつは、名前(ハンドルネーム)とメールアドレスなどを入力すれば、その場で使い出せる手軽さにある。
会員になると、自分専用のページができ、ここに自分のつぶやきと、自分が登録(フォロー)した友人、仲間らの発言が時系列順に表示される。好きな有名人をフォローすれば、その人の発言が日々流れ、新聞社やニュースサイトをフォローすればニュース速報代わりにもなる。
もうひとつの特徴は、「リツイート」と呼ばれる転載・引用機能。自分のページに飛び込んできた、気になるつぶやきをリツイートすると、そのつぶやきが、自分をフォローしている人へと転送される仕組みだ。このリツイートが玉突きのように続けば、ひとつのつぶやきがねずみ算式に広がっていく。
この拡散力は、東日本大震災の際、新しい情報伝達手法として注目を集めた。以降、「反原発」を訴えるデモの参加者を集める連絡手段にしたり、台風の際の電車の運行状況を知るために使われたりしている。
個々人の実際の使い方は様々だ。神奈川県のある大学生(20)は友人だけが分かる匿名の資格で登録し、遊びの約束をしたり雑談をしたり「連絡手段として使うだけです」。
東京都の三橋ゆか里さん(32)は実名で海外のニュースや情報技術に関する情報をつぶやいているうちにフォロワー(自分のつぶやきを見てくれる人)が1万5千人以上に増えた。会社員だったが、雑誌記事の執筆依頼が舞い込み、ライターとして独立するきっかけの一つになった。
「自分のつぶやきがリツイートされ、私の考えや人となりが一気に知れ渡ることもあった」
ただ、つぶやきはネットを通して誰でも見られる。実名で自身の政治的心情や普段の生活を投稿すれば、そのままネット上で広がる可能性もある。また、飲食店の従業員が来店した有名人の悪口を書いて批判にさらされるなど「炎上事件」も起きている。
ツイッターと並ぶ代表的なソーシャルメディアがフェイスブック。世界で10億人以上が使っている。IT教育研修会社のキラメックスの調査では、国内の推計利用者は1600万人だ。
フェイスブックは、実名での登録を求められ、顔写真のほか、肩書、職歴、学歴、家族や恋人の情報などツイッター以上に詳しい情報を載せる欄がある。長い文章や写真が投稿でき、気に入った投稿があれば「いいね!」というボタンを押し合う。
知り合い探しなど、つながりを広げる工夫を凝らしているのも特徴だ。「友だち」の可能性が高い人を自動検索して提示する機能などが組み込まれていて、詳しいプロフィルを入力しておくと、懐かしい級友や知人と再会できることもある。