京都府警の不祥事、大幅増 02年以降“ワースト2”
今年、懲戒処分を受けた京都府警の警察職員は29日までに13人に達し、資料の残っている2002年以降で2番目に悪いペースで推移していることが、京都新聞社の情報公開請求などで分かった。不祥事続発を教訓に始まった警察改革から12年たち、気の緩みを指摘する声も上がっている。
「この際、くすぶっている事案を洗い出すべきだ」「警察は法令順守を指導する立場。業務にも影響する」。先月の府議会決算特別委員会。相次ぐ府警の不祥事に、出席した友井昌宏警務部長に対して委員の府議から厳しい意見が飛んだ。
府警が停職や減給などの懲戒処分とした13人の不祥事は、留置人への便宜供与や盗撮、虚偽の報告などで、昨年の8人から大幅に増えた。訓戒や注意など内部処分は11月上旬までで45人に達した。
府警が情報公開した02年以降の内部資料によると、懲戒処分は03年の21人が最多だったが、08年は2人にまで減った。しかし、09年からは一転して増加傾向が続く。警察庁によると、全国的にもほぼ同様の傾向を示している。
2000年の警察改革は、神奈川県警の警察官覚せい剤使用事件の組織的隠ぺいなどを受けて始まった。住民の意見を警察行政に反映させる「警察署協議会」を全国で立ち上げるなど、信頼回復を図った。
しかし、府警幹部は「警察改革から10年以上たち、当時の危機感を知らない人が増えて規範意識が薄れているのでは」と話す。
府警は不祥事の発生要因として、職務倫理の希薄化や基本の逸脱、幹部による業務管理の不徹底を挙げる。身近に起きた不祥事を各部署でグループ討議し、他の都道府県の処分事例を検証するなど、再発防止に躍起だ。
ある幹部は「警察は検挙こそ本来業務のはずだが、これだけ不祥事が続くとその対策に追われてしまう」と声を落とした。
【 2012年12月30日 15時00分 】