TS高校の異変 番外編 「日常編」
「よう、出たぞ。お前も早く入れよ」
裸のままタオルで体を拭きながらリビングに入ってきた女がいた。
ぼんやりソファに座ってテレビを見ていた俺の前を何事もないように、スッと通り過ぎていく。
素っ裸だ。
それも女子高生。
とびきりの美少女が、リビングでくつろぐ俺の脇で、風呂から出たばかりの体をタオルで拭いていた。
若干シャンプーや石鹸の良い香りが漂う。
高校生である俺と同い年の女が裸で同じ空間にいるこの状況。明らかにおかしいのだが……。
「……」
「……」
何の騒動も混乱もなく、ごく普通に過ぎていこうとしていた。
俺が言葉を発するまでは。
「あのさ……ミツル」
「ん?」
俺が第一声を発した後も、ミツルは、まだ平然とタオルを手にしたまま、洗面所から持ってきた下着をその場で穿こうとしている。
こちらに大きなケツを向けたまま「……」
思春期、二次成長、女の特長が現れた見事な体だ。
保健の教科書に出てきそうな、お手本のようだった。
腰のくびれも、膨らんだ胸も、シミもホクロもなく白い玉のような肌で、まあ美少女といって良い。
そいつが今俺の目の前で着替えをしている。
不器用な手つきでブラをしようとしている。
ホックを留めるのに何度も失敗をしていた。
「お前って……前からそうだったっけ?」
「え?何が?」
「お前、何裸のままで居間をうろついてるんだよ」
いくら家族でも女が平気で男兄弟の前で裸でうろつくのは違和感ありまくりだった。
オレとミツルは生まれた日も時刻も同じだといっても……。
「あ……」
慌てて今更気が付いたように恥ずかしそうな顔をする。
「な、なら見るなよ……」
ようやく苦労の末ブラのホックを留めると、体をタオルで隠して、そそくさとリビングを去ろうとそた。
今更双子の俺たちが裸を見たって何の感情もないはず――
おかしいところはない。俺は幼い頃から何度も充(ミツル)の裸をみているはず。
小学校まで一緒に風呂に入ってたし。
そして、風呂から出た後、部屋をうろつくのも、あいつの癖だ。
だからうっかりやってしまった、というのだが……。
そもそもー何度考えをめぐらせてもそこにたどりつく。
「お前、女だったけ?」
「っ」
「何を言い出すんだ? みてわからないか?」
いや、もうそれは明らかに見ているから、わかってはいる。
非の打ち所のない見事な女の裸。それを惜しげもなく双子の弟の俺に見せているからな。
服を取りに行ってしまったミツルをみながら俺は一人つぶやいた。
「俺たち、一卵性の双子なのになんで、お前女なんだよ」
俺たちは性別が同じじゃないといけないはずだ――。
まだ着替え中のミツルは置いて、部屋に戻った俺は、二段ベッドを見る。上はミツルで下が俺だ。
これもおかしい。この二段ベッドも、小学校の頃に俺たちが双子の兄弟だからと買ったものだ。
それ以来ずっと使っている。
異性の姉弟がいつまでも同じ部屋で寝ているのは不自然な話だ。
壁にかけられた制服を見る。明朗な色彩のリボンと線が入ったブラウス。
短いプリーツのミニスカート。
そして小さく『TS高校』と書かれた刺繍が入っている。
女子高に通うミツルのものだ。
TS高校は、通称で、正式には「天聖館高校」。この近辺ではとびきり可愛い生徒が多いことで、最近特に噂になっている女子高だ。
俺は地元の県立高校に進学してあいつはここにいった。
そういえば俺たちは一卵性の双子の兄弟で間違われるのがウザいから、わざわざ違う高校を選んだんじゃなかったのか?
そうだ。ミツルと俺はいつも似ている兄弟だから間違われていたじゃないか。
親にも間違えられることが多かった。
だから、別々の高校を選択して……。
あいつは
『男子校に進学することになったが、共学の充男がうらやましい。交換しろ』
と俺にいってたじゃないか?
考えればかんがえるほど違和感が出てきた。
あいつとの記憶の糸を辿っていくと、朧気だった記憶が鮮明になってくる――
過去の記憶では、全てあいつは男だ。なのになんで今女なんだ?
誰も気付いていないがおかしい。
女のミツル、男子校のはずの女子高――。
そして、日に日にその湧き上がってくる疑問を抑えられなくなり、俺はある行動にでた。
この目で確かめてみよう。
「TS高校……正体をみてきてやる」
日曜日。
俺はTS高校の校庭にいた。
ミツルが、どこかへ遊びに行ってしまったのを見計らって、ミツルの制服を手に取った。
もちろん無断だ。
これを着て乗り込んだ。
幸い俺ももともと小柄な方で体格はどちらかというと、華奢だ。
髭も濃くないし、女装してもばれない自信がある。
上手く誤魔化せるだろう。
手に取ると、今のあいつは、体がふくよかで、むしろ体のサイズは大きいかもしれない。
悔しいが、あいつの方が見事な体だ。
「だが……これならなんとかなるかも」
ブラウスに袖を通してみると、ちゃんと着ることができた。
「おおう、結構冷えるな。股から直に風が入ってきやがる」
これがスカートの感触か……ミツルもこんな感触なのか。いやあいつの場合さらに股間が何もないから冷えやすいかも……。
上は胸無しを隠すためにぶかぶかのコートを被る。一応詰め物はしたが。
ってこんなこと考えてる場合じゃないか。
「ふう……やっと着いた」
歩いていくと、山の上の方にあるので、かなり階段と坂を上った。
スクールバスを使えば良かったな。
とりあえぞ門前のガードマンにもちらほら行き交う生徒にもばれてない。
ふふ、どうやら完璧のようだ。
校門を過ぎると、目の前には校舎と体育館。
すぐ脇に、チアリーディング部の練習光景が……。
整列して並んで、掛け声とともに全員が動きを揃えて、展開される振り付け。
制服よりもさらに短いスカートに、太股が露出する。皆細く綺麗な脚だ。
例外はない。
笑顔も相まって美しく見とれる。やばい、このままいつまでも見とれてしまいそうだ。
怪しまれる。
と、俺に気づいたのか一人が声をかけてきた。
「あ、ミツルちゃん、見てたんだ。どうしてここに?ひょっとして入部希望?」
体の線がくっきりでる衣装で、胸を揺らしながら近づいてきた。
あ、ミツルの知り合いか?ヤバイ。なんとか取り繕わないと……。
「今なら大歓迎だよ。まだ旧野球部しかメンバーがいなくてね。もっともっと部員を増やしたいのよ」
野球部?どういうことだ?女子高に硬式野球部があったのか?
そもそもこいつらそんなことをするような外見じゃないぞ。
「来週は、あたしたち『フェアリーズ』が天聖大付属の応援に行くからね。ほらいつもコールド負けしてた相手よ」
「そ、そうなんだ……」
「今は向こうが頭下げて応援に来てくれっていうから笑っちゃうよね」
ありえないだろ。お前らが野球の公式試合に出てたなんて。
「みんなー、ちょっとこっちに…ミツルちゃんが」
「ちょ、ちょ、ちょっと!」
全員でこっちに来られたら不味い。それは阻止せねば。
いくら変装が上手くいったとしても、一人ぐらいは気づくかもしれない。
「あれ?どうしたの?そわそわして……」
やべ、何か不審がられたか?
「ご、ごめん。ちょっと今日は忘れ物取りに来ただけなんだ」
我ながら白々しい言い訳だが……。
「何だ、そうなんだ。ま、ゆっくり『見学してってよ』」
そういうと、目の前のチアリーディングの女は去っていった。
ふう、気付かれなかったか。
ん?何か今の言葉に違和感があったが、まあいいか。
チアリーディング部は、また練習を再開している。本当に噂にたがわず可愛い子ばかりだ。
ありえないくらいにハズレというものが無い。
見回ってみるとーあちこちで日曜の部活動をやっている様子が眼に入る。
結構盛んらしい。
バスケ部、テニス部、バレー部……どれも不審なところは無い。
校舎に入ってみても……普通の光景だ。
まあ全ているのは女子生徒なのもあたりまえか。
だが、ちらほらみかけるのはやたらと女同士が手を繋いだり体を寄せ合っている光景だ。
あれか、女しかいない環境だとああなっちまうのか。
俺は男だからもちろん女の方がいいのだが、女が女を好きになるってのはどういうこっちゃ?
ミツルの奴もひょっとしてこんなんじゃないだろうな?
「あ!ミツル先輩!」
いきなり甲高い声に呼び止められた。
レオタードを着た少女。体操部の部員だ。
「先輩!今日来てたんですか?嬉しいです。わたしの練習を身に来てくれたなんて」
小柄で滅茶苦茶かわいい、どっちかというとロングの黒髪のロ○っぽい女の子がいた。
目鼻が整っていて人形みたいだ。
でも一応胸もお尻もそれ相応に大きくて、やばい方向に目覚めそうだな・・・・・・。
「や、やあ……」
「サッカー部から移って始めての大会、先輩のためにも頑張ります!」
う、この子が元サッカー部?またおかしなことが……
誰かわからない。ミツルの後輩か?それもかなり親しそうだ。
「あれ?いつものようにミキって呼んでくれないんですか」
「そ、そんなことないよ、ミキ…」
「最後にを付けてくれないと、ミキティって」
ぐお、まずいこの女の子と一緒に居るとドツボに嵌る!
なんとか回避しないと。
「み、ミキティ……」
「嬉しい……」
ポッと顔を赤くした。
あいつこんなことをやってるのかよ!?
「ほら、いつも挨拶代わりに先輩胸さわらせてくれるじゃないですか、ほら」
さらにこのミキという子は、俺の詰め物をした胸に手を伸ばしてくる。
あ、ミツルの奴そんなことをやってるのか?それもこんな子と……。
そ、それは駄目だ!触られたら一環の終わり。
「だ、駄目!」
手で押しのける。やべえ、手加減しなかった。軽いから、豪快に3回転ぐらいして地面に突っ伏した。
「いたたたた。胸小さいのを気にしてるのはいつもの先輩だ。良かった。なんかおかしいとおもったけど……」
まったく……。トラップだったのかよ。
「でも、キスはしてくれますよね?」
目を閉じて唇を差し出してきた。
う、さすがにこれは本当っぽい。やらないといけない空気に……。
一瞬で終わらせよう。
まさかファーストキスをこんなことで失うとは……
接したか接しないか、そんなところでさっと終わらせようーソウ思って唇に触れた。
「あれ?もう終わりですか?いつもは舌まで入れてくれるのに……」
少し不満げな顔をしたが、これ以上はまずい。
「今度ね……」
俺はミキとかいう子を置いてそそくさと他へ移った。
ううむ、見た目はばれなくても、そろそろ帰らないとまずいか。
一体あいつとミツルはどういう関係なんだ?
校舎に入るとさすがに人影はまばらだった。
時折ブラスバンド部の練習か、トランペットや太鼓の音が遠くから聞こえる。
誰もいない廊下や教室をぶらぶらと歩いた。
「ん? 生徒会室?」
気がついたのは、ひっそりと電気のともる部屋。
表札をみると、生徒会室や資料室、会議室などが並ぶ部屋だ。
ここは、多分、一番まともなところだろう。
あるいは、ここで何か聞けたらわかるのかもしれない。
「?」
部屋に近づくと、中からカサコサ……擦れ合う音。それも妙な声が聞こえる。「ああ……」とか「いい――そこ、そこ――」
なんか妙な空気を感じたので、そっと中をドア窓からそっと覗いてみた。
「!?」
部屋にいるのは、おしらくここの生徒たちだろう。
だが、皆服を着ていない。女は下着姿か裸。
口づけをしてたり、見つめ合ったり。
皆顔を上気させ、夢見心地な表情をしている。
体を、抱き合うというより、絡み合う女と女。
女だけの快楽に浸っている。
やば――本能が危険を知らせる。こいつらに捕まったら本格的にやばいような気がする。骨の髄まで、おかしくされそうな……静かに立ち去った。
「ミツルちゃん、たくさん食べてね」
「う、うん」
料理部員にみつかって連れ込まれた
今日はもう帰るって言ったのに、強引に連れ込まれた。
ミツルの奴、結構顔広いんだな。いろんなところで声をかけられる。
どこまで付き合いがあるんだか。
「良かったー試食してくれる子がいて。ちょっと作りすぎちゃってね」
「昔は馬鹿食いしてて味なんて、考えてなかったけど、料理って結構奥が深いのよ」
目の前の山のようなサンドイッチをとりあえず腹に入れて片付けていく。
「おいしい?」
「う、うん、美味しいよ」
確かに美味いが。
う、見つめられている……。あんまりがっつくとバレるぞ。
ふう……一息つく。みた目は変なところは無いのだが……。
やはり何かおかしい。
新体操部は元サッカー部員、今のこの料理部は元ラグビー部。いずれも新設だということだ。
女子高らしい部活はいづれもついこのあいだまで存在していなかったということだ。
そしてついこの間まで男子高校生しかありえない部活が存在し、消滅していることまでわかった。
そう――ここは男子校であり、こいつらは男子高校生だった。
証拠は無い。だが俺にはもはや疑いは無い。
だが、一体何がどうやって?
それを突き止めたかったのだが……。
「よかった、全部食べてくれて」
「ふう、お腹いっぱい……」
「女の子のお腹じゃこれだけの量は食べきれないのよ、助かったー。ありがとう」
「いや、どういたしまして……」
ん?いまの言葉が引っかかったが、苦しくて深く考えられない。
腹に血がっ集中して脳へ巡る血が少なくなってる、そんな感じ。
「少し休む?ほら、ミツルちゃんが好きないつものやつをやってあげる」
椅子を並べて横になるスペースを作るとそういうと、俺を押し倒す。
「うわ、ちょ、ちょっと……」
ビックリして抵抗する俺に構わず寝かせられる。そのまま俺の頭を太ももの上にのせる。
膝枕だ。
「どう?ミツルちゃん?」
うわあ…なんだこれ?この感覚……。
ふわふわ、プルプルした太ももの感触。心地よすぎる。
そしていい匂い。女の子の体の一部が密着してその体臭が香ってくる。
なんだか…ヤバイ薬をやって天国にでもいったような感触だ…
ミツルの奴、こんなに気持ちいいことをやってたなんてな……。
あ、でもあいつも女だから違うのか。女同士だとどう感じるんだろうな。
結局わからないままだな。
…何も考えられない……。
オレの意識はどこかへ飛んでいった。
「よく寝てる……よっぽど気持ちよかったのね」
「でもどうする?勝手にうちの学校に入ってきて。本来なら警察に通報なんだけどーミツルの弟じゃあねえ……」
「しかもうちの学校の秘密に気付いていたみたいよ。流石、双子の絆ねー」
「うーん、どうしよう?」
「おにいちゃん、おにいちゃん」
「う……ん?」
人の、女の子の声で気がついた。
あれ? ここどこだ? 起きあがると、知らない部屋にいた。
おそらく空き教室かどこかだろう。そこで寝ていた。
やばい、料理部で料理食わされてるうちに、寝てしまった。気づかれたか?
「おにいちゃん――」
「ん?」
そういえば、さっきから俺の傍らで誰か呼んでいる。
着物姿の、本当に人形のように精巧にできた女の子だ。
その子が俺をじっとみつめて、呼んでいる。
可愛い。この学校にいる子は、どの子も可愛いが、この子はまた違う。
神々しささえ感じる。
「気がついた? お兄ちゃん?」
「あ、ああ……君は?」
このモダンな作りの学校にいる、妙に不釣り合いな、和服の少女。
なんでこの子がここにいるのか、よくわからなかった。
「知りたいの? ミツル……さんに何があったのか」
だが、その子は答えなかった。それどころか、何故かミツルのことを尋ねてきた。
なんでこの子がミツルのことを・・・・・・。
だが、なんとなく普通の子じゃないような、何かを知っているような気がして、俺は返事をしてしまった。
「ああ、知りたいさ」
「何があっても?」
すかさず、少女はさらに、俺の意思を確かめるように問うてきた。
「ああ、俺とミツルは、ずっとこれまで一心同体みたいなもんさ。今更あいつが、俺にも明かせられない秘密なんで……」
俺はあいつとずっと一緒にやってきた。喧嘩もやったし笑ったり、泣いたり。
別々の学校に行っても、お互いに共有しているものは同じだとおもった。
唯一無二の双子。
だが……今は違っていた。あいつは俺の手の届かない、どこか遠くの場所に行ったような……。
「じゃあ、こういうのはどう? ミツルさんと同じようになるって」
少し少女は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「そうか、あいつと同じになればいいのか――」
面白い考えだ。ミツルがこっちの世界へ来れないなら、結局ミツルと同じ場所に行けばいいのだろう。
「ね。そうでしょ? 行こうよ、ミツルさんのところへ」
ミツルと同じなるってつまり――どういうことだ?だが、少女につられて俺は答えた。
「そうだな……」
「ミツルに何があったのか知ることができるなら、俺は何でもいい」
「じゃあ、叶えてあげる――」
一瞬少女の目が赤くなったような気がした。
その瞬間、体が動かなくなった。
例えようもない心地よい感覚に覆われていく。
暖かい――一体これは……。
「あら?あなたたち何を話しこんでるの?」
甲高い子供っぽい声。
女子生徒たちが一斉に振り向くと、その先にはー全員見覚えがある存在がいた。
だが、皆知っているよりもずっと大人の姿の女性だった。
「『お母さん』!」
「なんでここに!」
一同が驚きの声を上げた。
しかもーそのお腹が大きく膨らんで妊婦のようになっている。
そして、いつのまにかここに寝ていた男の子がいなくなっている。
「ま、まさか……」
「男の子がなんでこの学校にいたのかしら?制服を着ているからこの学校の生徒でしょ?だから、今お腹に入れてあげたのよ」
お腹をさすりながら、
「もうすぐ産まれてくるよ」
「え?嘘、ミツルちゃんの弟君、女の子になっちゃった?」
「ま、まあ…それが一番良いのかもね」
「おーいただいま。充男―ってなんだ、お前は?」
「よう、帰ったかミツル」
ちょうど着替えていて上半身裸になったところだ。
サイズに合うブラジャーが無くて困ってたところだった。
「誰だ、お前」
「今おまえも言っただろ充男だって、いや、これからは代にしようか充子にしようか」
「充男って今朝までは男……は、ま、まさか」
「そう、そのまさかだ。今日お前の高校に行ってきた。そしたらさ、こんなふうになった」
まあ、みてすぐにわかると思うが、スカート、括れた腰、輪郭の変わった顔、そして大きな胸の双丘。真ん中の大きなピンクの乳首。
どっからどうみても今の俺は生きのいい女子高生です。
「お前ってさ、学校ではツインテール至上主義なんだってな。
俺別人だって一発でばれてたみたいだ」
あんだけ苦労して準備したってのに、今日出会った全員にからかわれていたようだった。
しかもーミツルの双子の弟が必死に女装していると聞きつけて学校全体に知らされていたようだ。
だからー入れ替わり立ち代りいろんな生徒がやってきたらしい。
「なんでそんなことをしたんだよ……」
なんだかもうミツルは全てを理解したようだ。驚くというより呆れ顔だ。
「お前が本当のことを言わないから悪いんだぞ」
ミツルたちが女になり学校が女子高になった経緯をー
「極秘だったんだよ」
ま、もう俺もそのことは知っているけどな。
「でもさー結構いいよな女同士って。今までお前一人占めしてよ。なんだ?ミキティって。
うちでは男言葉のくせに外では思いっきりぶりっ子してるそうだな」
ミツルの顔が赤くなる。やはりミツルとあいつとは、そういう関係にあったようだ。
あれだ、
「俺だったらそこでお姉さまって呼ばせてたな」
「あ、あれは……。覚えてろよ、生理が来たら絶対後悔するからな。すげー痛いんだぞ、助けてやらん」
そうか、女にはそれがあった。まあいいか。オレに来るのは、もう少し先のことだし。
「ま、いいじゃんーそれよりさ。俺の胸Dくらいあってお前の使ってたブラが入らないんだよ」
ミツルは一回り小さい。
他のものにも少し興味が湧いた。
結局容姿が全然違ってしまったのは想定外だったが。
ツインテールの控えめな胸の女とショートカットの巨乳女。
いくら双子でも女の好みは違ってたということか。
ま、そこらへんはこれからじっくりと語り合うとしよう。
「お前のもさわらせろ」
「や、やめろ!」
「いいじゃん俺たち双子だし、もう女同士なんだからさー」
「双子だからって、駄目なもんは駄目!」