メンへラの読書日和
心の病を抱えつつ、でこぼこ人生を踏みしめながら読んできた数々の本の読書記
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2010-05-09 (Sun)
多摩川で拾った石を売る助川助三。かつては漫画家として名をなしたこともあったが、時流に乗り遅れ、数々の商売に失敗した結果、思いついたのが元手のかからない石を売るという商売だった。来年は小学校に入る一人息子の三助を連れて妻・モモ子が団地を回るチラシ配りだけが一家の収入源である。ある日、石の愛好家の専門誌を読んだ助川は、素人でも参加できる石のオークションが行われていることを知り、主催者の石山とその妻のたつ子と出会う。久しぶりにあった漫画の依頼も断り、遠く山梨まで出掛けて採石した石を抱え、期待を胸に助川はオークションに参加するが、参加者は老人ばかりで活気がない。いよいよ助川の石がセリにかけられるが期待に反して、石が売れなかったばかりか、余計な出費がかさんでしまうのだった。それによって再び気まずくなる助川夫婦。助川は再びペンを取り、漫画を描き始めるが、どこも採用してくれず、彼は再び石屋を始め、繁盛させるために川を越えた競輪場の客をねらって自ら客を背負って渡し舟を開業。モモ子はそんな彼に愛想を尽かしてしまうのだった。-goo映画より
この作品は竹中直人さんの初監督作品である。
決して波乱万丈な展開ではなくあらすじ紹介部分を読んで頂ければわかると思うが、売れないマンガ家の貧乏な日常の物語である。
でも初めてこの映画を見た時「才能」というものを痛感した。「才能」というのは魔法であり、その魔法が生み出した作品は輝きを放つのだ。「徒然なるままに、日ぐらし」な物語がお金を払ってもらえる価値のある作品に仕上がるのは「才能」のなせる技だと思った。
一歩間違えればつまらなくなってしまう起伏が無い平坦な道を最初から最後まで一mmも退屈する事なく楽しめた。
これ以後の竹中さんの作品を幾つか見ても感じたが「何でもないものを何かにあるように魅せる」というのがとても上手い創り手だと思う。
本当に「作る」のではなく新たな生命を生み出す「創る」方だと思う。
良い映画は見事なキャスティングと必ずタッグを組むが、この作品もその例に違わない。
まず最大の殊勲者は主演もこなしている竹中直人さんだと思う。笑いと哀愁を交えた絶妙な演技は独自の世界観を生み出す事に成功している。その世界観が作品を大きく支えている。どこまで才能を見せ付けるんだあああ!!!と思ってしまった。
それと意外と言っては失礼だが妻役の風吹ジュンさんがとっても良かった。自然体な感じの演技が作品世界の持つ「飄々とした軽み」に貢献していた。
「無能の人」はいわゆる社会からの「落ちこぼれ」というラベルをぺったりと貼られてしまうカテゴリーにいるだろう。勿論一般社会からはみ出ているが故の孤独感も存在している。
でも不思議と見ている側に幸福感が伝わってくる。
3人の家族は貧乏に苦しめられながらも主人公の才能を評価してるが故にある意味貧乏を黙認しており、貧乏を描いていながら陰惨さはなく、無能な人を描いていながらみじめさがない。
見ていて彼等3人家族とその生きている日常の日々がうらやましいとさえ感じた。
登場人物は底辺に生きる人達ばかりだが自分の人生を懸命に生きてるのである。死んだように生きていない。 よく生活環境で「勝ち組」とか「負け組」とか言われるが、どちら自分というものを捨てずに生きていれば等価値なんだと思わせる。
この作品を見てから竹中直人さんは「才能」というフィルターがかかってナイスガイに見えるようになったのが私にとっては大きな収穫であった。
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きみやすさん、こんばんは!!!
きみやすさんは原作の方も読まれているんですね。
私は残念ながら読んでいません。「ガロ」系のマンガは私には敷居が高い感じがしました。やはり男性は好きな方が多いですね。
原作のマンガと映画の差異というものを楽しみたいのですが。なんか手がだしにくいというか。
>>原作を損なわずに、自分の味も
しっかり感じさせる。
このコメントはレビューでよく見ました。原作を知っている方はそういう賞賛の声が多かったです。
こういうのは簡単なようで難しいですよね。やはり竹中さんは才能のある人なのだと改めて感じました。
きみやすさんは原作の方も読まれているんですね。
私は残念ながら読んでいません。「ガロ」系のマンガは私には敷居が高い感じがしました。やはり男性は好きな方が多いですね。
原作のマンガと映画の差異というものを楽しみたいのですが。なんか手がだしにくいというか。
>>原作を損なわずに、自分の味も
しっかり感じさせる。
このコメントはレビューでよく見ました。原作を知っている方はそういう賞賛の声が多かったです。
こういうのは簡単なようで難しいですよね。やはり竹中さんは才能のある人なのだと改めて感じました。
2010-06-04 02:02 おりえ URL [ 編集 ]
こんばんは。
最初に、観た時に
うちのめされたというか
驚いたのを憶えています。
自分も、原作が好きで
「なんともいえないこの味を
出せるわけねーよ」とか
たかをくくっていたのですが。
本当、竹中直人のもつ味が、丁度いい感じで
原作にのっているというのか。
他の作品だと
少々、(本人のシャイさゆえに)
つくり込みすぎる傾向があるのですが
この作品は抑制が効いていて
微妙な匙加減で
原作を損なわずに、自分の味も
しっかり感じさせる。
ある意味、稀有な作品だと思います。
それでは!
最初に、観た時に
うちのめされたというか
驚いたのを憶えています。
自分も、原作が好きで
「なんともいえないこの味を
出せるわけねーよ」とか
たかをくくっていたのですが。
本当、竹中直人のもつ味が、丁度いい感じで
原作にのっているというのか。
他の作品だと
少々、(本人のシャイさゆえに)
つくり込みすぎる傾向があるのですが
この作品は抑制が効いていて
微妙な匙加減で
原作を損なわずに、自分の味も
しっかり感じさせる。
ある意味、稀有な作品だと思います。
それでは!
KOZOUさん、こんばんは!!!
ワタクシ「ガロ」系は残念ながら未読です。男性の方は好きそうですね。
>>絵からにじみ出る日本の古い駄菓子のような懐かしい味
この表現は素晴らしいですわ。未読でもどういう感じか凄くダイレクトに伝わってきます。
映画はとっても良いですよ。機会がありましたら是非!!!完成度の良さに驚かれると思います。原作も読んでいる方の感想では原作に忠実ながらも竹中さん独自の味付けがあって上手く融合しているそうです。
上手く融合させるというのは難しいのですがどちらの味もケンカはしていないようですね。
>>勝ち組負け組などイヤな言葉がはやり、イヤな世です。
そうですね。人生は勝ちや負けの物差しで計るもんではないのですが。そういう物差しで自分をはかり優越を感じたい人が多いのかなとも思います。
ワタクシ「ガロ」系は残念ながら未読です。男性の方は好きそうですね。
>>絵からにじみ出る日本の古い駄菓子のような懐かしい味
この表現は素晴らしいですわ。未読でもどういう感じか凄くダイレクトに伝わってきます。
映画はとっても良いですよ。機会がありましたら是非!!!完成度の良さに驚かれると思います。原作も読んでいる方の感想では原作に忠実ながらも竹中さん独自の味付けがあって上手く融合しているそうです。
上手く融合させるというのは難しいのですがどちらの味もケンカはしていないようですね。
>>勝ち組負け組などイヤな言葉がはやり、イヤな世です。
そうですね。人生は勝ちや負けの物差しで計るもんではないのですが。そういう物差しで自分をはかり優越を感じたい人が多いのかなとも思います。
とこさん、こんばんは!!!
竹中さんて本当にどんな役でもこなせますね。「秀吉」
毎週見てました。変キャラからの大変貌だと思います(失礼な言い方ですが)。
その後も幾つか竹中さん監督の作品見ましたけど本当にどれも高水準で驚かされます。出来不出来の波がそれ程ないというのは割と難しいはずなのですが。
本当にこれからも期待したいです。
竹中さんて本当にどんな役でもこなせますね。「秀吉」
毎週見てました。変キャラからの大変貌だと思います(失礼な言い方ですが)。
その後も幾つか竹中さん監督の作品見ましたけど本当にどれも高水準で驚かされます。出来不出来の波がそれ程ないというのは割と難しいはずなのですが。
本当にこれからも期待したいです。
おはようございます
おはようございます。
雨が降り雷まで鳴っています(^_^;)
つげ義春さんは大ファンです。
無能の人、連作漫画ですね。夢中で読みました。絵からにじみ出る日本の古い駄菓子のような懐かしい味、ええですわー。
それで満足したのか映画は見ずじまいでした。
漫画に忠実につくってあるそうですね。
竹中さんも好きですね。日本の異能の人、偉能の人かな。
映画のイメージはぐんと頭に広がります。
彼のイメージぴったしですね。
助川助三、まあ名前からしてだらんんとイメージで子供が三助、妻モモ子とくればこりゃだめだ(^_^;)その辺の川の石なぞ誰が買うかい。
俳優としてだけでなく監督としても才能あふれるのですね。
風吹さんも味がでてますねー。そんなによかったのですね。ほんと何もかもアメリカナイズされ、勝ち組負け組などイヤな言葉がはやり、イヤな世です。
ほんとに「どちら自分というものを捨てずに生きていれば等価値なんだと思わせる」ですよね。
読まれたかも知れませんが初期のねじ式や紅い花など、エエですわー。つげさん自身が無能の人を地でいっているようですね。
こんばんわ!!!
おりえさん、こんばんわ。今日は急遽書いた記事にコメントくださり、ありがとうございました。
『無能の人』、見たかったです。竹中さんは私も一目置いていて、どんな役でもこなせ、尚且つ創作力はぴか一だと思っています。この作品も随分話題になり、私も天邪鬼なところがあるから、その当時は見向きもしませんでした(それでもメディアは追っかけていましたね(笑))。ラスト8行は本当に頷き人形になっちゃいました。竹中さんが、制作費何かど返しで創って良いといわれたら、一体どんな作品が出来るのか、笑いもペーソスも備えた凄く偉大な作品になるのでしょうか。それともイッセー尾形のようなまるで何も無い所から面白さを内側から放つのかとても関心がありますね。
でも映画創りって癖になるみたいですね、期待してましょうね。
ありがとうございました。
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