薄情ではありません　韓国、地デジ化完了も北朝鮮向けにアナログ継続　

　韓国で３１日、段階的に進められてきた地上波テレビ放送のアナログからデジタル方式への転換が完了し、アナログ方式の電波送出が終了した。ただ、北朝鮮で隠れて視聴している住民への対応として、韓国政府は北朝鮮向けにはアナログ放送を続けることを決めている。

　デジタル方式に変わると、テレビを替えたり、チューナーを付けたりする必要がある。同日早朝、最後に残ったソウルなど首都圏でアナログの電波が止まった。

　韓国には南北軍事境界線の直近に北朝鮮向けの電波発信施設があり、ここからの電波はアナログを維持する。北朝鮮住民は、同施設だけでなく境界線近くの一般向けアンテナからの電波も利用し、韓国の番組を見ているとされる。

　韓国の北朝鮮専門インターネット新聞「デイリーＮＫ」は、１０月に北東部江原道がデジタル化されたため、北朝鮮側の近接する地帯で住民が韓国の番組を見られなくなり、「韓国の放送局は薄情だ」「夕方の楽しみがなくなった」との不満が出ていると伝えた。（共同）