「安倍バブル」は3月に崩壊する
【政治・経済】
円安株高に浮かれているとヤバイ
「解散からこの1カ月間は、まるで陶酔相場でした。安倍首相が日銀に圧力をかけ、金融緩和を迫ることで円安期待が高まった。しかし26日に安倍政権が正式に発足したことで、マーケットは現実へと引き戻されるはずです。すでに、安倍首相の主張する無制限の金融緩和など本当にできるのか、疑心暗鬼が広がり始めています」(経済評論家の杉村富生氏)
来年1月22日が「安倍バブル崩壊」の最初の危険日だ。この日、日銀の政策決定会合が開かれる。
「日銀は安倍首相の求める2%のインフレ目標を設定するでしょう。でも、マーケットは2%目標をすでに織り込み済みだけにプラスアルファを求めてくる。たとえば101兆円に達している国債などの買い取り枠の拡大です。肩透かしだと、市場は失望し、株価が暴落する恐れがあります」(株式評論家の黒岩泰氏)
<1月22日も暴落の危険日>
一方で、日銀の白川方明総裁は安倍の言い分をすべて受け入れるという見方もある。
「日銀は安倍首相の言い分をすべて受け入れて、バンバン金融緩和を実施すると思います。その代わり、デフレから抜け出せなかったら、責任はすべて政府側にあると開き直るつもりだと思う。金融緩和だけでデフレ脱却ができるものなら、やってみろというわけです。だから1月のサプライズ金融緩和はあり得るのです」(市場関係者)
そうなると円安・株高は継続するだろうが、それもおそらく3月まで。上昇相場を支えている外国人投資家の「買い」が3月に一巡するというのだ。世界の株式に投資する機関投資家は、日本株の保有比率を約20%に設定している。12月上旬は16%。その差を埋めるため、せっせと日本株を買っているから、株価が上がっているのだ。目標の20%に到達するのは3月下旬とみられ、「買い」がピタリと止まれば、買い手不在で株価は下落だ。
さらなる悪材料が3月に待ち構える。
「来年4月8日に任期を終える日銀白川総裁の後任人事です。安倍首相は金融緩和に積極的な人選を進めるでしょうが、ねじれ現象になっている参院で同意が得られるかどうか分かりません。少し揉めるだけでマーケットは敏感に反応します。金融緩和の停滞はアベノミクスの崩壊です。暴落の引き金になりかねません」(杉村富生氏)
安倍バブルの崩壊は、それほど遠くない。