今月10日にフジテレビ「すぽると!」で放送された「キム・ヨナ復帰完全検証」が大きな波紋を広げている。
同番組ではNRW杯で1年8カ月ぶりに復活優勝した韓国のキム・ヨナ(22)を大々的に特集。直前にISUグランプリファイナルを今季世界最高得点(196.80)で4年ぶりに制した浅田真央(22)を引き合いに出し、キム・ヨナが浅田を上回る合計201.61点をマークして、さらにキム・ヨナの復活度はまだ70%であると解説した。
これに視聴者やファンからクレームが殺到。「そもそもNRW杯はGPファイナルよりはるかにレベルの低い大会で、一概に点数を比較出来るものではない」「だいたい浅田より扱いが大きいとは何事だ」とフジテレビに対する批判が巻き起こり、「どこの国のテレビ局だ」「フジテレビはキム・ヨナが7割の力で『今季最高得点』を出した。浅田真央よりキム・ヨナが上と言っている」とネット上でも大騒ぎになった。
だが、憤慨したのはファンだけではなかった。ある民放局関係者がこう言う。
「浅田真央の所属事務所であるIMGも、『報道に公平性を欠いている』とフジテレビに対して厳重抗議をしたというのです。『今後、浅田に関する取材協力は遠慮させてもらう』とも言われたそうで、担当者は大わらわ。フジテレビは浅田とキム・ヨナが直接対決する来年の世界選手権の中継権を持っている。浅田に取材拒否をされたら、事前の特集番組の制作などを含めて死活問題ですからね。全社的に、浅田真央の取り扱いに注意せよ、との指令が上層部から飛んでいるそうです」
そこで日刊ゲンダイ本紙がマネジメント会社IMGに真偽を確かめたところ、担当者から以下のような返答があった。
「IMGとして、そのような問い合わせはフジテレビに対して行っておりません。基本的にメディアの報道に関しては、それが間違った事実であったり、本人を中傷するような内容でない限り、マネジメント会社からアクションを起こすようなことはありません」
浅田とキムは来年3月にカナダのロンドンで行われる世界選手権(10〜17日)で「女王」の座をかけ直接対決する。2人の激突は11年の世界選手権以来2年ぶり。スポーツ番組の報道を巡ってこんな騒ぎになること自体、浅田とキムに注目が集まっている証拠。今から周囲がヒートアップしていることだけは間違いない。
(日刊ゲンダイ2012年12月26日掲載)