皇位を譲り立場が変わりましたが、他に変化はありましたか?
この頃から衣装が少し変わってきています。
帝の衣装なので裾が長く、引きずる程あったんですが、短くなりました。
帝はいわゆる「象徴」なので、ビジュアルイメージが大切なんだろうなと思いました。
だからいろいろ着こんで、足さえも見せないで雅な容姿になっていたんでしょうね。
帝・上皇・法王となるごとに衣装が変わっていくのを実際に着てみて「こんなに違うものなんだ」と、興味深く感じました。
実は、帝にだけ許された特別な色があります。
黄櫨染(こうろぜん)といって茶に近い色で、この色が一番高貴な色なんだそうです。
あれ、あの色です。(とポスターを指す)
弟の雅仁とは衣装のイメージも含め、キャラクターが全く違いますね?
見事に違います。翔太君(雅仁親王役・松田翔太)と2人の違いを面白がって一緒に芝居していました。
いつか一緒にお芝居がしたかった人だったので、実際初めて共演する場がこの平清盛で光栄でした。
更に兄と弟という設定で表現の仕方が見事に違う2人、雅仁と崇徳の雰囲気がそのまま出るなと思いました。
本当に自由にお互いの芝居をさせてもらいました。
特に印象に残った所は?
庭に梅が咲いていて、雅仁が花を見ながら今様を歌うんですが、その歌の意味を崇徳に投げかけてくるんです。その歌で自分の心中を見透かされているように感じます。
ここが2人のキャラクターの違いやキャラクター、関係性を象徴するシーンです。とても面白かったです。
我をたのめて来ぬ男
角(つの)三つ生(お)ひたる鬼になれ さて人に疎まれよ
霜雪霰降る水田(みずた)の鳥となれ
さて足冷かれ
池の浮草となりねかし と揺りかう揺り揺られ歩け
梁塵秘抄(平安時代末期の歌謡集。雅仁親王が後にまとめた今様歌謡の集成。)
私に期待させておいて、来なくなってしまったあの男。
角が3本生えた鬼になれ。そして人から忌み嫌われてしまえ。
霜や雪やあられが降る水田の水鳥になってしまえ。足が凍えて冷たいだろう。
池の水草になればいい。ゆらゆら揺られ彷徨えばいい。
2人の住まいのセットはどうなっているのか調べました!
井浦さんもおっしゃっていたのですが、大河のセットはとても凝っていて大がかりなので、1度セットするのは大変な作業です。
建物から庭まで、崇徳上皇が過ごす御所のセットを完成させるのに3日もかかります。
この回の収録で重要になる庭のセット制作現場をご紹介しましょう。
庭の植木はほとんどが本物。この椿も生きています。 根元は見えないように、小さな植物や樹脂でできた岩(とても軽いそうです)で目隠ししています。 そして、庭のメインとなる梅の木ですが・・・。
収録時は冬で、梅の花は咲いていません。 梅の幹に、造花の梅の枝を取り付けて花が咲いているようにみせていたんです。 ちなみに、大きくて重いので動かしやすいようキャスター付きの枠に建ててあるそうです。
こちらが完成写真。
取り付けた跡が判らないように、枝と幹との接合部分に手を加えていて、アップの撮影にも十分耐えられます。
根元は土をかぶせ、苔や植物で覆います。
撮影期間中、植物が枯れないよう水やりをするのもお仕事のひとつです。