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原子力防災強化 実効性が課題に
12月30日 16時33分

原子力防災強化 実効性が課題に
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去年3月の原発事故を受けて原子力防災の強化が急がれていますが、避難基準が決まらなかったほか、複数の県にまたがるような広域での避難の連携など未解決な課題も多く、地域防災計画の見直し期限である来年3月までに実効性のある対策を打ち出せるか、国や自治体の取り組みが問われます。

原子力防災の強化は、原子力規制委員会が最重要課題の1つに挙げていて、去年3月の原発事故を教訓に、避難などの対策が必要な範囲を原発からおおむね半径30キロに拡大したことから、対応が求められる自治体が大幅に増えています。
これらの自治体では、来年3月18日までに原発事故に備えた地域防災計画の見直しをしなければなりませんが、重要な避難基準は、規制委員会が目指していた年内の決定ができず、年明け以降に持ち越されました。
また、甲状腺被ばくを防ぐためのヨウ素剤についても、原発から5キロの範囲について事前配布の方針が決まりましたが、それより遠い地域での事前配布や、服用の指示の伝え方など、防災計画を見直すうえで必要になる方針はいずれも決まっていません。
こうした国の対応について、自治体の間からは、「基準だけ示されても住民の理解が得られない」とか、「国が主導して広域的な避難の在り方を具体的に示してほしい」などといった意見が出ていて、地域防災計画の見直し期限である来年3月までに実効性のある対策を打ち出せるか、国や自治体の今後の取り組みが問われます。
原子力防災に詳しい社会安全研究所の首藤由紀所長は、「国単独で検討するのではなく、自治体との協議を通じて現場の課題を把握しながら実効性を高めることが必要だ」と話しています。

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