病院で4人死亡 感染経路など調査12月30日 4時51分
横浜市緑区の病院で、入院患者や職員合わせて99人が感染性胃腸炎の症状を訴え、このうち80代から90代の4人が相次いで死亡しました。
横浜市はノロウイルスの集団感染とみて、原因と感染経路を調べています。
横浜市緑区の横浜田園都市病院では、今月25日から29日にかけて、入院患者と職員合わせて99人が下痢やおう吐など感染性胃腸炎の症状を訴え、このうち80歳から97歳までの男女4人の入院患者が死亡し、男性患者1人が重症です。
横浜市などによりますと、病院では、今月25日に入院患者の介護を担当していた職員3人が発症し、翌日から病院の違う階の入院患者や別の職員たちに、下痢やおう吐などノロウイルスに感染した際に見られる症状が広がったということで、横浜市はノロウイルスの集団感染とみて調べています。
29日夜に記者会見した横浜田園都市病院の澁谷誠二院長は「職員に手洗いの徹底などを求めたマニュアルの実行が不十分だった可能性もあり、今後、聞き取り調査などをして原因の究明に努める」と述べました。
一方、横浜市は、近く病院への立ち入り調査をして原因や感染経路について調べることにしています。
相次ぐ集団感染 注意を
ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者は、今月中旬になって僅かに減少したものの、全国的に集団感染が相次いでいることから、国立感染症研究所は引き続き感染防止策を徹底するよう注意を呼びかけています。
国立感染症研究所が今月25日に発表した感染症の流行状況によりますと、全国の小児科から報告される感染性胃腸炎の患者は、今月16日までの1週間で1施設当たり19.23人と前の週を0.39下回り、9週間ぶりに減少しました。
都道府県別に見ると▽鹿児島県が33.04人と最も多く、▽香川県が33.03人、▽愛媛県が29.76人などとなっています。
この時期の感染性胃腸炎の大半はノロウイルスが原因で、今月23日、宮崎県日南市の病院でノロウイルスによるとみられる集団感染で70代と80代の入院患者6人が死亡したことが明らかになるなど、全国的に集団感染が相次いでいます。
このため国立感染症研究所は、手洗いをこまめに行うとともに、下痢やおう吐などの症状のある人が出た場合、マスクや手袋をしたうえで、周囲を塩素系の消毒剤で拭き取るよう呼びかけています。
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