発足3年を迎えた小泉内閣の支持率は、朝日新聞の世論調査で50%。絶頂期の84%に比べると大幅ダウンだが、戦後の歴代内閣で発足3年の数字としてはきわめて高い数字だ。では、どんな人が支持し続けて、どんな人が離れていったのか。支持を続けているのは「自民支持層」「高齢者層」、支持から離れているのは「無党派層」「民主支持層」。この結果、高率とはいえ、従来の自民党政権の典型的な支持構造に近づいてきた。
この3年間、自民支持層の小泉内閣支持率は7、8割台をキープしており、公明支持層でも6割前後と堅調だ。これに対し、有権者の半数近くを占める無党派層の内閣支持率は、発足以来1年刻みで57%→38%→33%と低落。民主支持層では59%→36%→27%とさらに下落幅が大きい。「自民党をぶっ壊す」という小泉首相に共感を持ってきたこれらの層が、抜け落ちつつある。
年代別では、「小泉離れ」の傾向は20〜50代で幅広く見られる。これら「現役世代」の支持率は当初8割を占めたが、この1年で軒並み4割台まで落ち込んだ。6割前後を維持している60代以上の高齢者層と対照的だ。
小泉政権のどのような政治姿勢、政策がこれらの層の支持離れにつながったのか。
無党派層と民主支持層にとって、大きな転機になったのが、田中真紀子外相の更迭で、この時に「不支持」が「支持」を逆転。以降、北朝鮮訪問で支持率が持ち直した一時期を除き、おおむね不支持優位が続いている。
今国会で最大の焦点となっている「年金改革」や、「サラリーマンの医療費負担3割へ引き上げ」など負担増につながる施策には、現役世代や事務・技術職層などで否定的評価が7割前後にも達し、支持離れにつながったとみられる。
任期中に支持率が5割を超えた最近の自民党政権としては、小渕、橋本内閣がある。ともに自民支持層での平均支持率が7割前後を占める一方、無党派層では3割に届かず、当時の野党第一党である民主、新進支持層での平均支持率も2割台に過ぎなかった。年代別では60代以上の支持がともに5割前後を占め、他の世代を引き離していた。
現在の小泉内閣の支持模様は、最大派閥が政権を握っていたこれら従来の自民党内閣の姿に、近づきつつある。
こうした基盤のうえに公明支持層を取り込み、25日の衆院統一補選では「自民全勝」という強さを見せたが、7月の参院選では小泉支持から離れていった層の動向が勝敗のカギを握るこになりそうだ。
(04/04/27 00:16)
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