京畿道竜仁市に住むKさん(67)は、貯蓄銀行と信用協同組合からマンションを担保に借り入れた2億5000万ウォン(約1900万円)のローンを抱えている。事業資金として借りたものだが、事業に失敗し、高い延滞利息に耐えかね、Kさんはマンションを手放そうとしたが、1年以上売れなかった。
Kさんのマンションは最近競売にかけられた。一時は相場が7億5000万ウォン(約5700万円)まで高騰したが、現在の鑑定価格は4億8000万ウォン(約3660万円)だ。しかし、競売での落札価格は鑑定価格の70%台が一般的なため、4億ウォン(約3040万円)を回収するのも容易ではない。Kさんは「借金を返せば家もなく、手元に資金はほとんど残らない。どうやって暮らしていけばいいのか途方に暮れている」と話した。
■低信用・多重債務者が23万人
金融監督院が第2金融圏(銀行以外の金融機関)を含めた不動産担保ローンの現状を調べた結果、「低信用・多重債務」構造が危険な状況に陥っていることが分かった。低信用・多重債務者とは、今年9月末現在で信用等級が「7等級」以下で、三つ以上の金融機関から住宅担保ローンによる借り入れがある人で、全国で23万人を数える。住宅担保ローン利用者の4.1%に相当する。
金融監督院によると、低信用・多重債務者の多くは貸出金利が高い第2金融圏を利用しており、借金に耐えきれず、結局は金融機関に自宅を奪われる可能性がある。現在延滞がある住宅担保ローン債務者4万人はいずれも7等級以下の低信用債務者となっている。
韓国金融研究院のソ・ジョンホ上級研究委員は「低信用・多重債務者の中には借り入れで事業資金や生活資金を工面した自営業者が多数含まれている。不況が長期化し、融資を受けた当時に比べ信用等級が低下しているケースが多いとみられる」と分析した。
現在マイホームを売却しても借金を完済できない人が19万人に達するとされ、監督当局はその大半が低信用・多重債務者だと推定している。家計債務が深刻な社会問題となれば、低信用・多重債務者は問題の発端になりかねない。