民主党は衆院選に向けて、自民党の安倍晋三総裁に照準を合わせ始めた。安倍氏の積極的な金融緩和要求や、公約への国防軍の明記などを批判。野田佳彦首相が衆院解散を表明した14日の党首討論で安倍氏を押し込んだとの判断により、党首の公開討論会も申し入れた。安倍氏は自らの主張が好感されていると自信を深めるが、連携する公明党などからは懸念の声もあがっている。
「要は建設国債を大量に発行して公共事業をいっぱいばらまこうという話だ。そんな政治に戻していいのか」。首相は22日、民主党本部で開いた全国幹事長会議で、安倍氏の金融緩和策を強く批判した。
安住淳幹事長代行は「安倍氏は守れることしか公約に書かないと言うが、国防軍には公明党は絶対反対だ。勇み足もひどい」と強調。自民党の菅義偉幹事長代行に、党首同士の公開討論会を申し込んだことも明らかにした。
支持の差縮まる
政党間の勝負では分が悪い民主党は、党首対決で活路を開こうとしている。日本経済新聞社が16~18日に実施した世論調査で「衆院選後の首相にふさわしい」のは安倍氏が前月から3ポイント低下の37%。首相は7ポイント上昇の25%で差が縮まった。民主党は14日の党首討論が一定の評価を得ており「党首同士の対決なら勝機はある」(幹部)と踏む。
首相は全国幹事長会議で、党首討論を振り返り「『近いうち、とはいつだ』と言うから答えたら(安倍氏は)びっくりしていた」と述べて笑いを誘い、党首対決に意欲をみせた。「党首討論で私が問題提起をしなかったら、定数削減や議員歳費の削減は道筋がついたか」とも強調した。
足並みそろわず
ただ足元の不安定さは変わっていない。幹事長会議では、首相が衆院選の争点にしようとしている環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に関しては、北海道連や山形県連などから「慎重に検討すべきだ」という意見が噴出。四国のある県連は「こんな会議やってられん」と吐き捨てて会場を後にした。
小平忠正国家公安委員長は22日の記者会見で「現行の関税撤廃の交渉なら私は反対だ」と明言。田中真紀子文部科学相も「現場の声を聞いて決めるべきことだ」と慎重な姿勢を示した。
安倍晋三、野田佳彦、安住淳、菅義偉、田中真紀子、小平忠正、日本経済新聞社
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