安倍首相、福島原発を視察　廃炉作業を加速、支援

東京電力の広瀬直己社長（右）の説明を聞きながら、バスの中から福島第１原発の１号機と２号機を視察する安倍首相 Photo By 代表撮影＝共同

　安倍晋三首相は２９日、福島第１原発を視察し、長期化が懸念される廃炉作業を加速し、政府が全面支援していく考えを表明した。

　就任直後の初視察先に福島県を選ぶことで復興への取り組みをアピール。事故時に指揮所となった免震重要棟内で東電職員ら約８０人を前に「廃炉に向けた挑戦に成功して初めて福島、日本の復興につながる。政府も全面的にバックアップする」と言明。同県川内村で記者団に、廃炉作業を「できるだけスピードアップしたい」と意欲を見せた。廃炉には３０年以上かかるとされている。民主党の掲げた２０３０年代の原発ゼロ目標には否定的な考えを重ねて示し「希望の段階では直ちに政策になっていかない」と述べ、見直す意向を示した。