第41話 −転落への階段−
気の遠くなるような1日が過ぎた・・・・・
再び石牢の扉が開かれ、マスターが入ってきた
「どうかな?楽しく過ごせたかな」
「これを嵌めていると退屈しなくて、1日がとても素晴らしいと思えてくるだろう」
「さて、返事を聞かせてもらおうな」
「イエスかノーか」
森羅は丸く蹲ったまま首を横に振った
「殺されたって・・・・」
「言うものか!」
「そうか・・・」
「ふふふ、殺しはしないから安心しなさい」
「だが、生きていることを後悔することになる」
「明日、また聞きに来る」
「もう1日楽しんでるといい」
「そうだ、退屈だろうからTVを付けておいてあげる」
森羅の前に小さな液晶TVが差し出された
スイッチが入ると、そこには・・・・・
「う・・・うわああぁぁぁーーーーーーーー!!」
森羅は絶叫したTVの画面には麗華が映し出されていた
金属らしきベッドに大の字で固定されている麗華
ヘッドギアとよばれる物が頭部に装着されて、そこから何本ものコードが伸びている
胸、腹部、太股・・・・・
そして股間からもコードが伸びている
麗華は体を痙攣させ、口から涎を流し、瞳は虚ろに空を見つめる
突然、弾かれたように全身を痙攣させ手足を拘束している鎖を引きちぎらんばかり暴れる
そして、耐え難い程の絶叫をくりかえす
「ね、ねえさん!!」
「な・・・なにをしたんだ!」
「ふふふ、君がイエスと言うまで姉さんはこのベッドで楽しいおもいを繰り返すのさ」
「ヘッドギアは脳を引っかき回すような音波を頭の中に送り込む」
「長時間続けられたら廃人になるだろうね」
「体の各部に取り付けられたコードからは電流が流れる」
「弱いのから強いのまで、千差万別だ」
「特に、股間の電極は耐え難いだろうね」
「膣内部、クリトリス、尿道、アナル」
「それぞれに電極が差し込まれている、強い電流が流れると殺してほしいと絶叫するんだよ」
「君がイエスと答えるまでエンドレスに続くんだよ」
「姉さんおもいの君だ、いっぱい楽しませてやることだな」
「じゃあ、明日また会おう」
扉を出ていこうとするマスターに
「ま、まって!!」
「僕がイエスと返事をすれば・・・・姉さんを赦してくれるんだね」
その問いかけにマスターは
「返事は1日1回、明日聞こう」
そう、言い残して出て行ってしまった
「まっまって!!!!」
森羅は必死で呼び止めるが、重い石の扉は閉じられてしまった
森羅の目の前のTVには麗華が失神と覚醒を繰り返す姿が延々と写し続けられていく
「ねえさん・・・・・・」
森羅はガックリとうなだれその場に蹲ってしまった
「僕の・・・・僕のせいで・・・・・・」
「ご・・・ごめんなさい・・・・・・・・」
石の床が涙で濡れていく
雨に煙る港のアパート、優香の部屋
「雨の日曜日か・・・・」
「えへへへ・・・こんな日は外出日和、お散歩に行ってこようかな」
優香はクローゼットからラバーのキャットスーツを取り出した
「今日はどれにしようかな・・」
「よし!これに決めた」
優香が手にしたのは飴色の半透明のキャットスーツだった
ジッパーは後ろについているタイプだ
ただ、そのバックジップは腰の上で終わっていて、股間には別のジッパーが取り付けられている
バックジップは首から臍の前まで連続してジッパーが続いていると、前屈みになるのが難しく、姿勢を制約されるのだが
このタイプのように、ジッパーがウエストで分割されていると、動きがとても楽になるのである
ソックス、ク゜ローブと一体になったキャットスーツをたっぷりのドレッシングエイドと共に着用していく
ピチピチとゴムの擦れる音が部屋に響く
全身を半透明のトランスナチュラルカラーが包み込むと、直ぐに汗が滲み出す
濡れた箇所はゴムが透明となって皮膚が浮き出てくる
裸よりも卑猥な姿になるスーツなのだ
鏡に映った自分を見て
「うわぁー、このスーツ嫌らしいよね」
そう言いながら笑い出した
「私って、ほんとうに変態だわ・・・・」
股間のジッパーを開くと、消毒したカテーテルを尿道に差し込む
「うん!」
ピりッとした痛みが走る
ちょっと顔をしかめながら、カテーテルを奥まで挿入する
膀胱内部まで入ったことを確認すると、注射器に空気を入れてカテーテルの二股に別れた短い管に差し込む
注射器の中の空気を押し込むと、カテーテルを引いて抜けてこないことを確認する
そう、留置式カテーテルで膀胱内部で風船のように膨らませることができるのだ
「よし、OKだな」
カテーテルの先に貯尿バックを取り付けると、ラバースーツの上から太股にベルトで固定する
次に、黒いラバーで出来たウエスト部分が幅広いコルセットに近い形状のT字ベルトを装着する
そのT字ベルトにはゴムで出来た2本のディルドゥが取り付けられている
キャットスーツのジッパーが開いた股間ら女性自身とアナルにディルドゥを挿入していく
「あぁ・・・・ああぁぁぁ・・・・・・」
たっぷりローションを塗っても、大きな2本のディルドゥはもの凄い刺激を与える
「うううぅ・・・・・・!!」
キッチリと2本とも根本まで挿入し終えると、T字ベルトでしっかり固定する
次に、黒いラバーのブラジャーを飴色キャットスーツの上から装着する
最後に、分厚いゴムで出来た鍵のかかる首輪を装着して完成だ
キャットスーツ一体のソックス上に綿のソックスを履く
これは、ブーツを履いたときにラバーソックスを破いてしまわない為なのだ
膝までのラバーブーツを履くと、その上から水玉模様のビニールレインコートを羽織る
「あ、これヤバいかも」
飴色のグローブの嵌った手をみると、慌ててピンクのカラー軍手をその上から嵌める
レインコートの襟を立てると
「よし!完成!」
「港をグルッと一週してこようかな」
優香は嬉しそうにアパートを出ていった
水玉のレインコートの襟を立て、ゴムのレインブーツで雨の中を歩く姿はごく普通の女性にしか見えない
しかし、レインコートの下はラバースーツに尿道カテーテル、貯尿バックにWディルドゥという想像もできない姿だった
太股に取りつけられた貯尿バックにオシッコが溜まりはじめている
Wディルドゥは歩くたびに女性自身とアナルを責め立て、全身を覆うキャットスーツの中は汗でビッショリ濡れている
「だめ・・・・歩けないや」
防波堤の縁に腰掛ける
「い、いやっ!」
腰を下ろすと、2本のディルドゥが体内を突き上げてくる
慌てて立ち上がると、苦笑した
ぼんやりと雨に煙る海を眺めていた
こんな日の海辺は人通りもほとんど無くヒッソりと静まりかえって海面に落ちる雨音だけが響いていく
「私って、やっかいな趣味の持ち主だな・・・・」
優香はポツリと呟いた
「でも、これが私の幸せなんだもの・・・生き甲斐なんだ」
そう自分に言い聞かせて微笑むのだった
隠れた性癖を一人そっと楽しむ、ささやかで平穏な日々・・・・・・
だが・・・・
その穏やかな日々は
親友の自殺と言うショッキングな出来事と共に過酷な運命の渦に巻き込まれていく
そんなことなど露程も知らない優香だったのだ
続く