「NOと言える男 太陽の季節に生まれた
NOと言える男 弟の兄でござります
NOと言える男 いじわるばあさんの後釜
NOと言える男 勝ち目のあるケンカだけする」
最近電気を打たれたようにしびれがはしった、
SOUL
FLOWER UNIONの『SCREWBALL COMEDY』
というアルバムの「NOと言える男」という曲。
☆☆☆
実は、私、今まで一度も君が代を歌ったことがない。小学校も、中学校も、「人権教育」がさかんな学校で、 “人間はうまれながらにみな平等である、天皇もしかり”みたいな考え方で(公立の学校ですよ!ちなみに)国旗や国歌などお目にかかったことがなかった。
かなり偏った教育を受けてきたと最近になってわかった。今思い返すとちょっと異様な感じさえ受ける。が、とにかく私は「君が代」を歌ったことがなかった。
高校も公立だったが、どうやら日教組が強かったようで、やっぱり君が代は歌わなかった。大学でももちろん歌わない。
学校で一度も習わなかったから、どんなメロディでどんな歌詞なのかもよく知らない。
1999年、忌野清志郎が「君が代」をパンクロックにして歌って発禁になった。
清志郎が歌う「君が代」はライブで何度も聴いた。
「♪こけのむーすまーで」というと、客が客席からムースを投げ込む。清志郎はそれを豪快に頭にふる。すると、今度はスプレーが投げ込まれて、清志郎は「♪スプレースプレースプレーまーでー」と歌う。
「国歌斉唱、ご起立ください」と清志郎が言って、私はそこで生まれて初めて、国歌で起立した。
清志郎の「君が代」は、最後はアメリカの国歌でフェードアウトしていく。
そういうわけもあってかどうだか、発売禁止になった。
清志郎本人か、音楽評論家が言っていたのかは覚えいていないけれど、『清志郎「君が代」問題』に際して、こんなことを聞いて感動したことがある。
歌というのは誰かに歌えって言われて歌うものじゃない。 誰も「歌うな」とやめさせる権利はない。 歌いたいやつが、歌いたい歌を、歌いたいときに、歌いたいように歌うんだ。
出所がはっきりしていないので、脚色されているかもしれないけれど、多分こういうニュアンスだったと思う。
99年といえば、まさに国旗国歌法が制定されたときだった。
国が「君が代」を歌いなさいと強制して、一方、清志郎が歌う「君が代」を歌ってはいけませんと制圧する。
卒業式に何を歌おうが、歌うまいがどうでもいいと思うのだけれど、部外者がその歌を歌っているかどうか、その歌に敬意を示して起立しているかどうかをチェックしに来ていると言うのはなんとも異様な光景である。
子どもたちの晴れ舞台に一番ふさわしくない人間が、ビデオカメラを携えて教師が起立しているのかどうかを監視している。ビデオカメラは子どもたちの晴れ姿を映してはいない。
☆☆☆
「NOと言える男 世間知らずのボンだから
NOと言える男 小物らしく弱者を叩く
NOと言える男 神の国ならボスだけど
NOと言える男 腐った男のなれの果て」
SOUL
FLOWER UNION『SCREWBALL COMEDY』「NOと言える男」から
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