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雇用と所得を守られた人が得をするデフレ社会
デフレといっても、その痛みをすべての人が等しく分かち合うわけではない。デフレで得をする人とは一体どんな人たちなのか。そして、小泉政権の政策で得をするのは誰なのだろうか?
私がキャッシュで1億円持っていたとします。そしたら「量的金融緩和はハイパーインフレになるぞ」と言って、なるはずないのに「なるぞ、なるぞ」と脅して、少しでもデフレを続ける。すると、1億円の実質的な価値が上昇するんです。
また、「不良債権処理を断行しろ、直接償却をやれ、最終処理だ」と言って、担保不動産を売りに出させて土地の値段をますます下げる。それでワーッと下がってきたところで買い占めるわけです。すると値段が下がった分、丸儲けです。そのしわ寄せは、リストラされた人や賃下げされた人のところに全部いってしまいます。
つまり、デフレで一番うれしいのは金持ち、その次にうれしいのは雇用と所得が守られた人、たとえば国家公務員とか、銀行の役員。そういう強者にはデフレほどおいしいことはないんです。「デフレを放置しよう」というのは強者の論理なんです。だから結果的には、小泉首相は金持ちの味方兼銀行の味方といえます。
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