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週刊・上杉隆
【第174回】 2011年5月12日
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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

世界で2ヵ国しかない、グリーンピースの海洋調査を断った国・日本。政府は今すぐ独自に調査をやり直すべきだ

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 筆者が銚子を訪れた日、政府はようやくストロンチウムが海洋に流れ出ていることを認めた。カルシウムに似た成分で、水に溶けやすく、骨に溜りやすいストロンチウムが海に流れているということがどういうことかは想像もしたくない。

 ストロンチウム90の半減期は約29年、海洋生物は食物連鎖を繰り返し、その間、生体濃縮が起こる。日本の海はどうなるのか。もはや書くまでもないだろう。

 グリーンピースは、政府の許可の要らない12カイリ以遠でサンプリングを行なった。今週中にはその結果が出るという。

 政府はグリーンピースのさらなる発表の前に、独自の調査をしなおすべきだ。それなくして、国際的な信頼も、国民からの信頼も決して回復しないだろう。

記事初出時、1ページ目末尾に「そもそも日本政府は、今回のグリーンピースの申請があるまで、海洋調査そのものを行なう気配すらみせなかった。20日の申請を受け、慌てるように25日にアリバイ的に調査を行なったにすぎない。」との表現がありましたが、日本政府は4月20日以前も海洋調査を実施しており、事実と異なるため削除・訂正させていただききました。(2011年5月17日)

 


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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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