「尖閣は中国所有で−」 鷲尾政務官の“?”発言

2012.10.10


鷲尾英一郎氏【拡大】

 民主党の鷲尾英一郎農水政務官が「尖閣諸島は中国政府が所有していい」と発言したことが問題となっている。誰が所有者かより、固有の領土を守る体制強化を訴えたとされるが、野田佳彦政権の「尖閣国有化」方針と異なるうえ、中国による尖閣購入を容認したとも受け取られかねない。そもそも、鷲尾氏といえば、北朝鮮による日本人拉致事件の容疑者親族の関連政治団体に、自身の関連政治団体が献金していた人物だった。

 問題発言は9日夜、鷲尾氏が都内で開いた政治資金パーティーで発せられた。

 鷲尾氏は「(尖閣諸島を)誰が所有するかの問題ではない。語弊はあるが中国政府が所有したっていい。日本の登記簿に中国政府と書いてもらったらいいだけの話だ。日本の領土として、われわれが断固たる決意のもと島を守り抜くことが大事だ」と述べ、海上警察権などの強化を訴えた。

 ただ、これはおかしい。野田政権は9月、石原慎太郎知事率いる東京都が、全国から十数億円もの寄付を集めて尖閣購入を進めていたのに、それを邪魔して「国有化」に踏み切っている。

 野田政権の一員として「東京都の尖閣所有は絶対に認めないが、中国政府が所有するのはいい」という判断なのか。

 鷲尾氏は日本人拉致事件に取り組み、外国人参政権付与や人権救済法案にも慎重な立場を取る「保守系議員」とみられているが、疑問もある。

 昨年夏、菅直人前首相の資金管理団体などが、拉致事件容疑者親族の関連政治団体に多額の政治献金を行っていたことが発覚したが、鷲尾氏の関係政治団体も献金していたのだ。自民党の古屋圭司衆院議員は当時、国会で「(同団体は)いまも共産主義革命をしようとしている極左の過激派集団」「公安当局もマークしている」と追及した。

 民主党は、日本をどうする気なのか。