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大飯原発現地調査 活断層か結論至らず
12月29日 18時39分

国内で唯一運転している福井県の大飯原子力発電所で、断層を検証している国の原子力規制委員会の専門家会議は、29日、2度目となる現地調査を終えましたが、専門家の見解が引き続き分かれ、活断層かどうかの結論には至りませんでした。

原子力規制委員会の島崎邦彦委員と専門家の合わせて5人は、28日に続き29日も大飯原発の敷地北側にある溝を掘って断面を調べる「トレンチ調査」の現場を訪れました。
ここにある「地層のずれ」について、関西電力は「活断層ではなく地滑りだ」と主張していますが、28日は、専門家から「疑問が残っている」、「納得していない」という意見が相次ぎました。
また、29日は、先月の調査で敷地の中央を走る「F-6」と呼ばれる断層を確認した山の尾根部分にあるトレンチ調査の現場も訪れ、調査を終えました。専門家からは地層のずれについて、「地滑りで説明ができる」という意見とともに、「大きな活断層が動いたときに一緒に動く可能性がある」という指摘が出て、見解が引き続き分かれ、活断層かどうかの結論には至りませんでした。
規制委員会の専門家会議は、年明けの会合で大飯原発の断層を評価することにしていますが、島崎委員は「さまざまなデータがあり整理したい。敦賀原発より難しい」と述べて、評価に時間がかかるという考えを示しました。
国内で唯一運転している大飯原発について、規制委員会は、重要な施設の真下を走る断層を活断層と判断した場合、運転停止を求める考えで、大飯原発の現地調査は先月に次いで2度目です。
島崎委員は、関西電力が来年2月以降に原子炉近くで掘る予定の溝について、「調べたあとにも議論したい」と述べていて、調査が長期化する可能性も出ています。

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