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振り込め詐欺で1400万円被害…家族の絆も奪われ/神奈川

2012年12月24日

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 「限定」「リスクなし」…。高齢の女性が遭った振り込め詐欺は、投資話の甘言が誘い水だった。当初は疑念を抱いた。しかし、被害の実態を聞くと「若い男」たちが証券会社、投資先の会社、役所などを登場させ、電話や資料を使って女性を心理的に追い込んでいく様子が分かる。女性は自らを責め、悔やむ。老後の蓄えを失ったばかりか、身内との関係も断たれた。

 「太陽光発電の開発会社から資料が届いていませんか。横浜で2千人だけに送られているはずですが…」

 横浜市磯子区の女性(67)宅に今年6月、都内の証券会社の社員を名乗る男から電話があった。

 5日後、大阪市内の太陽光発電開発会社の資料が届いた。信託受益権の購入を勧める内容で、支払先として名古屋市内の管理会社名義の口座が記されていた。

 疑いつつも開発会社に連絡すると「12月に上場し、確実に5~8倍の利益を得られる。資金は共同購入者に全額払わせる」と大口の共同購入を勧められた。投資経験はなかったが、「リスクがないなら」と購入を決めた。

 購入手続き後、事態は一変した。「インサイダー取引で金融庁が調査する」「調査されると(女性の)財産が差し押さえられてしまう」「止めさせるために1千万円用意できないか」。開発会社と証券会社から矢継ぎ早に告げられた。

 夫には相談せず、投資話を進めていた。「自分だけで解決したかった。投資に不案内で、冷静に考えられなかった」と女性。保険を解約して1千万円を用意し、指定された最寄り駅近くで、管理会社の社員を名乗る若い男に渡した。

 さらに400万円を求められ、同じように封筒に入れて手渡した。計1400万円。その後、女性が開発会社や証券会社に電話しても「着信拒否」が続く。

 「『限られた人だけ』という言葉で興味が湧き、多くの人が同じ投資話をするので信じ切ってしまった。自分だけはだまされないと思っていたのに」と女性。「失ったのは、こつこつとためてきたお金や老後の楽しみだけではない。家族の絆まで奪われた」。事件以来、40年余連れ添った夫とは別居となった。自責の念に駆られ続けている。

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