サブカテゴリー

PR:

事故トンネルだけ打音検査未実施 00年が最後、中日本高速

 山梨県の中央自動車道上り線の笹子トンネル崩落事故で、中日本高速道路(名古屋市)が管理する同じ構造の三つのトンネルのうち、笹子だけは2000年を最後に本体の天井部にあるつり金具のボルト部分の打音検査をしていなかったことが4日、同社などへの取材で分かった。

 他の2トンネルより天井板からボルトまでの距離が長く、同社は打音検査をしなかった理由について「作業員の手が届かなかったため」と説明。「要領に基づき点検の基本は目視」としている。県警は捜索で保守点検に関する資料など計約550点を押収、安全管理の実態解明を進める。

 国交省の専門家委員会によると、同社は直近2回の9月と05年の点検でしていなかった打音検査を、00年には足場を使って実施したと説明。打音検査をしなくなった経緯を調べる。

 同社によると、5年に1回程度の詳細な点検で打音検査をしていたのは恵那山トンネル(長野県、岐阜県)と都夫良野トンネル(神奈川県)。天井部のボルトまでの距離は笹子が約5・3メートルで、恵那山は約1・6メートル、都夫良野は約2・1メートルという。

 笹子は作業員がライトで上部を照らし、双眼鏡で目視していた。

 点検は作業員が天井板に上って実施するが、笹子は、はしごや脚立などを持ち込んでいなかった。同社は「大掛かりな作業は必要ないと判断した」としている。笹子の下り線は事故後、はしごを使って打音検査した。

 東日本高速道路が管理する笹子と同様の構造をもつトンネルは、天井板から本体の天井までの高さが2メートル程度で、西日本高速道路が管理する同様のトンネルも高いもので2メートル程度という。両社は5年に1回の詳細な検査の際に目視と合わせ打音検査もしていた。

[ 2012年12月4日 23:39 ]

Webtools & Bookmarks
Yahoo!ブックマークに登録

注目アイテム

ニュース

注目アイテム

クイックアクセス
【楽天】オススメアイテム
スペシャルコンテンツ