ヒキガエルを食す

☆ 『ヒキガエルを食す』
カエルを食べるなんて!オェーッ・・・
という方は、どうぞご退席下さいネ
 木曽谷北部のK村では、
昔から「ヒキガエル」を捕獲して食べる習慣があります。
まあ一種の食文化なんでしょうか?


 このカエルのことを、地元では「ガサゲロ」とか「ヒキタ」とか、
単に「ゲロ」などと呼んでいます。
◆ヒキガエルとは
  本州、四国、九州に分布するヒキガエル科のカエルで、
 正式な和名は「ニホンヒキガエル」といいます。
  日本にいるカエルの中でも大型で、体長は10~15cm
 になります。(メスのほうが大きくなります)
  普段は渓流沿いの山中などに潜んでいますが、産卵期になると
 沼や小さな水溜りなどに集まって一斉に産卵行動をします。
  暖地に生息するヒキガエルは、だいたい3月ごろから産卵期
 を迎えますが、木曽谷北部では5月の連休前後です。
  ヒキガエルには、目の後ろに「耳線:じせん」と呼ばれる
 コブがあって、危険を感じたときに白色の毒液を分泌します。
 この毒液が目に入るとかなりの刺激痛がありますが、失明する
 ようなことはまずありません。
◆なんでこの時期(8月)に『ヒキガエルを食す』か?
  通常ヒキガエルの捕獲は、産卵期に集まったところを
 一網打尽にする訳ですが、実はこのころのヒキガエルは
 卵や精子に養分をとられ、脂の乗りもよくありません。
 8月~9月になると産卵期とは比べ物にならないほど脂が乗って
 とても美味しくなります。(一番美味しいのは冬眠直前のカエル)
◆捕獲の方法
  産卵期なら捕獲は簡単ですが、夏から秋にかけての捕獲には
 ちょっとしたコツが必要です。といっても、特別な道具などは
 要りません。それは天候の具合をよく見計らって出かければ良い
 だけです。どういうことかと言うと、産卵期にヒキガエルが集まる
 ような場所をよく覚えておいて、突然の大雨があった日の雨上がり
 にその付近を捜すと、あ~ら不思議・・・いるわ・いるわ!
  産卵期ほどの数は無理でも、5~6匹も捕れれば十分。
◆食べ方(何度も言いますが、オェーッとなる方はご退席を)
  まず皮を剥きます。大きめのハサミで頭部を切り落とし、
 そこから一気に後ろ足まで皮をめくり取りましょう。
  なお、毒液が目に入らないよう、この作業は水中で行うか
 メガネをかければ安全です。
  次に腹ワタをすべて取り除きます。これで下ごしらえは終わり。
 料理の方法は、塩焼きか唐揚げがいいですよ。
  焼いた姿が気になる方は、適当に身を分解したほうがいいかも。
  (筋肉マンにそっくり・・・)オェーッ!!
◆◆春先のヒキガエルしか食べたことがない方は、どうぞお試しあれ。
  レモンの絞り汁を少々振りかけると、さっぱりいただけます。
  夕涼みに焼酎ロックを飲みながらいかがですか。

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