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田村厚労相、就任会見一問一答


 第2次安倍晋三内閣で新たに就任した田村憲久厚生労働相は27日に記者会見を開いた。医療・介護分野に関する会見での記者との主なやりとりは次の通り。

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「バランスの取れた厚生労働行政をしていきたい」と話す田村厚労相

―どのような厚生労働行政の理想像を掲げて仕事に取り組むか。

 
バランスの取れた厚生労働行政をしていきたい。例えば、負担と給付のバランス。それから世代間、世代内の負担のバランス。もっと言えば、やはり政と官の立場。あまりにも官が前に出過ぎることは、われわれ自民党の反省すべき部分もあり、戒めていかなければならない。一方で、(民主党政権時のように)政と官があまりにも乖離し過ぎると、これもまた(厚労省は)特に国民の皆様の生活に密着した仕事が多いので、なかなか動かないということが起こってくる。しっかりと政と官の立ち位置、距離感を保ちながら、バランス良く厚生労働省を運営していかないといけないと思っている。

―高齢化で増え続ける社会保障費を今後、どのように抑制する考えか。

 
医療費など、高齢化で伸びていくものを無理に縮めるなどということは基本的にできないだろうと思う。ただ、医療費の伸び全体を見ると、高齢化だけではなく、医療の技術の進歩の方が高かったりする。こういうものを、どう保険の中で見ていくかは、ちょっと大きな議論をこれからしていかなければいけないのかもしれない。ただ、これは非常にセンシティブな問題でもあるから、幅広く議論を頂き、それを参考に、われわれとしてもいろいろな考え方をまとめていきたいと思っている。

 これに加えて、病床をある程度減らしていくことや、ジェネリックを推進していくことなど、今までの既定の路線の中で進めていく話と、もう一つはよくいわれているように在宅医療、それから終末期医療に対してどのような体制を組んでいくかといった話について早急に整理し、一定の方向性を示していきたいと思っている。

―持続可能な社会保障制度の構築に向け、社会保障制度改革国民会議にはどのような議論を期待するか。

 
私見も入るが、持続可能という意味では、医療もそうだが、介護は非常に厳しい状況だ。
 負担の伸びをどこまで抑えることができるか。これは消費税の使い道という話になるのかもしれない。前政権はそこまで踏み込んでいなかったと認識しているが、そこも踏まえて国民会議の中でいろいろ議論されるのではないのかと期待している。

―70−74歳患者医療費の自己負担割合について、一部報道では1割負担の措置を続けるという話も出ているが、どのように考えるか。

 
(2割の自己負担は)景気が良くて、例えば年金がこのような状況で下がらない状況下を想定してきたが、年金が下がり続ける時に(1割負担から2割負担に引き上げることは)果たしてどうなのかという意見があるのも事実だ。一方で財政を考えた時に、(2割負担を明記した健康保険法の)本則に戻すべきだというのも、もっともな意見。やはり景気を良くすることがすべてだと思う。この前提条件をクリアしなければ、いろいろなことに対応できない。

―小泉政権時代に、自民党は社会保障費2200億円を一律削減し、それが社会保障のいろいろなひずみを生んだと批判されている。今後、安倍内閣の中でそのような社会保障費の一律カットが選択肢にあるのか。

 
今のところ、そういう指示は頂いていない。そのため、そういったことは今のところないと認識している。
 そもそも2200億円のカットは、5年間で1.1兆円(を削減する)というところから来ていたもので、(それ以前の削減も含め)10年間にわたって行ってきた話であり、今2200億円(削減するか)というと、何の根拠もなく、そういう話にはならないと思う。必要なところに必要なものはやはり、ちゃんと付けていかなければならない。

―生活保護の医療扶助について、財務省は一部負担が望ましいとか、ジェネリックを生活保護に限って義務付けるといった案を示しているが、どのように考えるか。

 
生活保護費の約半分が医療扶助ということで、これは大きなものだ。一方で、必要なものを切るわけにはいかない。生活保護全般に言えることだが、必要なものは必要なものとして見ていかなければいけないと思っており、何もかもを切るという話ではない。

 一部負担に関しては、いろいろな意見があるが、一部負担の導入はちょっといろいろ問題点もあるのかなというのが今の私の感覚だ。それからジェネリックの義務化の話も出ているが、義務付けるというより、事実上そちらに誘導できるような何らかの方策を考えるなど、慎重に対応していく必要がある。【津川一馬】

( 2012年12月27日 22:16 )


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