「「太陽色」染まった維新公約 現実路線、自主憲法制定など盛る」の印刷ページ:イザ!

提供者情報

「太陽色」染まった維新公約 現実路線、自主憲法制定など盛るのニュース本文

11/30 00:07更新

 日本維新の会の石原慎太郎代表(80)と橋下徹代表代行(43)=大阪市長=は11月29日、東京都内のホテルで記者会見し、衆院選公約「骨太2013-2016」を発表した。自主憲法制定を盛り込むなど「石原色」が強まった。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については、交渉に参加の上で「国益に反する場合は反対」と条件を付け、「維新八策」と旧太陽の党の主張を融合させた現実的な内容となった。
 ■「橋下氏の本音出た」
 外交・安全保障では、防衛費国内総生産(GDP)1%枠の撤廃や、集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法の整備が盛り込まれた。
 自主憲法制定は旧太陽の党が綱領の第1項目に掲げていた。自民党も衆院選公約で憲法を改正して国防軍を創設するとしており、衆院選で自民、維新と民主の改憲派が3分の2を獲得すれば、憲法改正の動きが一気に加速する。
 政治評論家の森田実氏は「石原氏に配慮したというよりは、橋下氏の本音がもっとストレートに出た」と推測。自主憲法制定は「ずっと心の底に温めてきただけだ」と指摘している。
 ■原発ゼロ「捨てていない」
 原発政策では「脱原発依存」という維新八策の言葉が骨太にそのまま盛り込まれた。橋下氏は会見で「10年後に原発をゼロにすると言えばいいという政治なら、いくらでも言える」と述べた。10年後の「卒原発」を掲げる日本未来の党を意識した発言だ。
 一方、「骨太」とは別に維新八策をほぼ反映した「政策実例」も併せて公表。旧太陽との合併で「公約が後退した」と批判されるのをかわすためとみられる。
 政策実例には「既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウトする」と明記した。橋下氏が訴えていた「2030年代までの原発ゼロ」を踏まえた。
 旧太陽側は「原発ゼロは20年代にできるかもしれない。今から決め打ちのようなことは書くべきではない」と主張。石原氏も「脱原発」には慎重姿勢を見せていたこともあり、骨太で「原発ゼロ」との表現は見送られた。しかし、原発政策が衆院選の焦点になる中、橋下氏には「脱原発」の姿勢を何らかの形で示す必要があった。
 政策実例について、太陽側は「『アイデアプール』であり、その中から今後、取捨選択と優先順位をつけていく」として、政党としての公約はあくまで骨太との認識を示す。
 一方、橋下氏は会見で、政策実例について「まだまだ議論の余地があるもの」と述べた上で「『30年代ゼロ』はまだ自分の気持ちとしては捨てていない」とも語った。
 (SANKEI EXPRESS
       ◇
 【日本維新の会 衆院選公約のポイント】
・自主憲法制定
・消費税率は11%とし地方税化する。新たな財政調整の仕組みとなる地方共有税を創設
・環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加。国益に反する場合は反対
・脱原発依存体制を構築。達成への期限は設けていないが「2030年代までにフェードアウト」との見通し
・政府と日銀の間で物価安定目標に関する政策協定締結
・自治体首長と参院議員の兼職禁止規定廃止
・個人献金を促す制度をつくり、企業団体献金は禁止
 (SANKEI EXPRESS