オリンパスとソニーが提携、医療で合弁
[東京 28日 ロイター] オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)とソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)は28日、資本業務提携で合意したと正式に発表した。ソニーはオリンパスに第三者割当増資を通じて約500億円を出資する。ソニーは増資引き受け後、議決権比率が11.46%となり、オリンパスの筆頭株主になる。ソニーはオリンパスに取締役1人を派遣する予定。
業務提携では、医療事業での合弁会社を12月中に設立する。合弁会社の出資比率は、ソニーが51%、オリンパスが49%。社長はソニーから、副社長はオリンパスから派遣の予定で、ソニーが主導権をとる。新会社では、フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ「4k」や三次元(3D)などソニーの最先端画像技術を生かし、主に外科手術に使う内視鏡の新製品や、手術室での画像関連機器を開発する。
両社はまた、競争の激化しているコンパクトデジタルカメラの領域でも具体的に協業を検討。オリンパスからカメラ用レンズ、ソニーからイメージセンサーを相互に供給し、両社にメリットある取引のあり方を協議する。
競争法上の許認可などの事情により、第三者割当増資は2段階で実施する。まず10月23日に約190億円分をソニーに割り当て、その後、13年2月28日までに約310億円分を割り当てる。発行価格はいずれも1株あたり1454円。
オリンパスは増資で調達した諸費用を除く490億円のうち、250億円を医療機器の研究開発費用などに充てる。また、中国やインドを中心とする新興国で内視鏡医を育成するためのトレーニングセンターの開設・運営費用に150億円、ソニーとの合弁設立に伴う販路開拓費用などに残りの90億円を充当する。
<役員派遣は来年の総会を予定>
ソニーからオリンパス本体への役員派遣は来年の定時株主総会で1人の取締役を選任する予定。オリンパスによると、臨時株主総会を開く予定はないという。旧経営トップらによる巨額損失隠し事件で財務体質が悪化したオリンパスは6月末の自己資本比率は2.2%まで低下したが、ソニーからの出資を受けて、3月末には10%弱の水準に回復する見通し。
提携合意を受けて、オリンパスの笹宏行社長は「イメージセンサーや画像関連技術において強みを有するソニーとの提携はメリットが大きく、さまざまな補完関係も築ける」とのコメントを発表した。ソニーの平井一夫社長も、オリンパスとの提携は、ソニーがメディカル事業を将来の中核事業の1つとして成長させていくための「重要な布石」とのコメントを寄せた。両社は10月1日午前9時半から共同で記者会見する。両社長が出席する。
(ロイターニュース 白木真紀 村井令二;編集 宮崎大)
*情報を追加して再送します。
© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.
原発運転制限、変更の可能性
茂木経産相は、原発の運転期間を40年間に厳格に制限するという民主党前政権の方針について、変更の可能性を示唆した。
記事の全文 | 特集ページ