堅いイメージがつきものの自治体ホームページの中で、龍ケ崎市が掲載している「公共施設再編成の基本方針」のアクセス数が、難しい題名にかかわらずぐんぐん伸びている。大きな理由は、本編に加えて漫画による解説を掲載したこと。「役所らしくない発想がいい」などと、口コミやインターネット交流サイト・フェイスブックで話題となり、アクセス数を押し上げているとみられる。

市企画課によると、このリンクは市民からの意見(パブリックコメント)を募るため、18日に開設された。同日から1カ月間掲載されるが、27日現在で既にパブリックコメントへのアクセス数で過去最高の453件(1カ月間)を上回る662件のアクセスがあったという。

「公共施設再編成の基本方針」は、これから公共施設が次々と更新時期を迎えるにあたり、厳しい財政状況の中で、どのように更新すべきか、その在り方を説明した。

同課は「市民に『危機意識』を共有してほしい」と、どうすれば一人でも多くの市民に見てもらえるか検討し、その結論が漫画の導入だった。

登場人物はパソコンソフトから引用し、職員が構成を考えた。物語は、更新時期に社会の担い手となる高校生を主人公とした「学園もの」。生徒と教師のやりとりから、公共施設の現状と課題を浮かび上がらせる。

インターネットのほか冊子を市内の公共施設に置き、「人目を引いた。おもしろくて読みやすかった」と、こちらも評判はいいという。

同課は、ホームページの内容への関心が高まったことについて、「笹子トンネル崩落事故で公共施設の老朽化が問題になったこともある」とする一方、「公共施設の未来を市民と一緒に考えていく下地づくりに一役買えたのではないか」と、漫画の掲載も理由の一つとみている。

同課はパブリックコメントを受けて基本方針が決定する来年2月に、続編の「完成版」漫画を作製する予定という。