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特集地軸2012年12月22日(土)

歴史問題

 松葉づえに偽装された特注の狙撃銃。フランスのパリ解放記念日の式典会場で、ドゴール大統領に照準を合わせた暗殺者が、間一髪のところで警視に阻止される―▲
 英仏合作の映画「ジャッカルの日」(1973年)。ドキュメンタリーのような精緻な描写に引かれ、何度観賞したことか。原作者はフレデリック・フォーサイス。事実と虚構の境が見えないところに妙味がある▲
 作品の題材となったのは、フランスが植民地支配したアルジェリアの独立問題。同国が実際に独立したのは62年。数十万人もの犠牲を出した過酷な闘争の末だった▲
 先日、オランド仏大統領が同国を訪問。130年余りにわたった植民地支配について、虐殺や拷問にまで踏み込み非を認めた。かつてない認識を示したとして、アルジェリア国民にも好意的に受け止められたよう▲
 両国にとっても、植民地統治の評価は歴史問題。6年前、フランスが「肯定的側面」の教育を義務付け、論争が再燃したりもした。今回訪問で注目された大統領の謝罪はなかったが、独立50周年の節目の締めくくりにはなったろう▲
 さて、同じく歴史問題を抱える日韓関係。自民党はきのう、公約だった政府主催の「竹島の日」式典開催見送りを固め、特使の派遣を明らかにした。双方の政権交代を機に関係改善へ向かうか。2015年の国交正常化50周年まで、あと3年。

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