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特集地軸2012年12月29日(土)

脂肪税

 毎朝、起きがけに一杯のさゆを飲む。程よい熱が胃の中に染み渡り、生気がわいてくる。さゆには内臓掃除の働きがあるという▲
 水やお湯で体を洗うのと同じように、体の中の毒素を排出してくれるのだ。とはいえ、適量がある。飲み過ぎは、かえって腸内の栄養を流れ出させ体調不良に陥らせる−(蓮村誠「白湯(さゆ) 毒出し健康法」PHP文庫)▲
 甘味料入り清涼飲料水を毎日飲む女性は、ほとんど飲まない女性より脳梗塞になる危険性が1・8倍高い―。大阪大などの研究成果が先日、公表された。好物でも過度の摂取は体を壊しかねないとの警鐘だ▲
 デンマークが昨年10月から脂肪分の高い食品に課した「脂肪税」が今月末で廃止される。過剰摂取を抑える世界初の試みも失敗だったようだ。健康法の選択は自己責任。政府が税を手段にその領域に介入する発想が拒まれたのも当然だ▲
 同じ健康税としてスナック菓子や清涼飲料水に通称「ポテトチップス税」をかけるハンガリーはしぶとく課税継続の方針とか。やはり自発的な節制でない以上、効果には疑問符が付く▲
 日本では、生活必需品にもかかる消費税が再来年4月から上がりそう。低所得層ほど負担が重い逆進性解消に最適解を出すのはこれから。自己責任を問えないからこそ政府の出番だ。社会を健康に保つため増税が必要だとするなら負担の公平性は譲れない。

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