秘密会議:原子力委、報道で発覚後も官邸にウソの報告

毎日新聞 2012年12月29日 02時30分(最終更新 12月29日 02時43分)

 原発事業者ら推進側だけで「勉強会」と称した秘密会議を開いていた問題で、毎日新聞の報道で問題が発覚した5月24日、内閣府原子力委員会が官邸に虚偽報告していたことが、情報公開で入手した電子メールで分かった。核燃サイクル政策見直しを進める小委員会で使用予定の文書の原案について議論し内容を変えたのに、「議論も書き換えもない」とうそを記載した想定問答を作成・送信していた。8月に最終報告をまとめた内閣府の検証チームはメールの存在を把握しながら実態を解明しておらず、ずさんさが露呈した。

 民主党政権下で進められた原子力委の組織見直しは、結論が出ないまま政権交代した。近藤駿介委員長を含む5人の原子力委員はいずれも来年1月5日までに任期(3年)が切れるが、後任は決まっておらず任期が自動延長される見通し。問題を抱えた原子力委が同じ体制で存続することになり、新政権は早急な対応を迫られる。

 メールによると、5月24日午前7時56分、藤村修官房長官(当時)の秘書官が毎日新聞の報道について「(午前)10時厳守で資料及び想定問答を作成」するよう原子力委の事務局を務める内閣府原子力政策担当室職員に指示した。担当室職員は午前9時59分の返信で「事業者の意向に沿って書き換えが行われたことはない」と報道を否定。午前10時33分に「説明も議論もしていない」と伝え、同趣旨の資料と想定問答も送った。

 藤村前官房長官は午前11時8分からの記者会見で「書き換えはない。(配布した資料に原案が)あったそうだが説明も議論もしていない」と説明した。

 しかし、関係者によると4月24日の秘密会議で原案は政府のエネルギー・環境会議への報告案であるとの説明が担当室側からあり、議論した。青森県六ケ所村の再処理工場を経営する「日本原燃」幹部が使用済み核燃料の一部を再処理し、残りを地中に直接処分する政策に有利になるよう求めたことが毎日新聞の報道で既に明らかになっている。参加者の一人は検証チームの聴取(7月)に「報道にあったような意見があった」と証言している。

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